2023年6月29日8:30
Squareは、Androidスマホを決済端末にする「Tap to Pay on Android(タップ・トゥ・ペイ・オン・アンドロイド)」試用プログラムを日本で実施している。実証実験の期間は、プログラム参加の案内メールが届いた日から7月24日23時50分までだ。Squareでは、同実験の成果と課題を踏まえ、国内でのTap to Pay展開の可能性を探る。
Tap to PayでJCBのクレカも受け入れ
専用端末不要でタッチ決済受け入れ可能
日本でもスマートフォンやタブレットなどの汎用端末に活用する「COTS(commercial off-the-shelf)デバイス」が注目されている。クレジットカードセキュリティ対策協議会では、「クレジットカード・セキュリティガイドライン」の付属文書16として「スマートフォン・タブレット等のアプリを利用した決済に関するセキュリティ対策の技術要件について」を作成したように、安心・安全なサービスの普及に向けての準備が進められている。
スマートフォンを活用した決済ソリューションとしては、Bluetoothで接続したり、専用のジャックをつけて決済に利用する方法が広がっているが、世界でmPOS(モバイルPOS)の決済ソリューションを広めたSquareがAndroidを決済端末にする Tap to Payの試用プログラムを日本で開始している。
同プログラムは、専用のアプリをTap to Pay対応のAndroidスマートフォンにインストールすると、国際ブランドのタッチ決済(非接触型決済)を受け付けることができるものだ。アプリはGoogle Playから無料でダウンロードできるため、mPOSの専用端末不要でカード決済サービスを提供できる。
タッチ決済は、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discoverブランドが利用可能だ。Tap to PayでJCBのクレジットカード決済を商用サービスとして受け付けられるのは、Squareが日本初になると発表されている。
店舗は金額を入力し、「Tap to Pay」ボタンを押すと、タッチ決済の受け入れ画面が表示される。Square POSレジで商品をPOSレジに登録していれば、金額を入力しなくても商品ライブラリから該当製品をカードに入れて決済できる。利用者は、NFC読み取り部分にカードやスマートフォンをタッチすると支払いが可能だ。読み取り速度に関してはベータ版のため非公表だが、筆者が見たデモではストレスなく支払いが行えるスピードであると確認できた。
既存・新規の事業者の利用から可能性探る
6カ国で実績のある正規版の日本語ベータ版
Tap to Pay 試用プログラムにあたり、Squareでは、6月8日から16日まで既存・新規の事業者に関わらずTap to Pay on Androidを使ってもらう事業者を募集した。すでに募集は締め切られているが、「さまざまな事業、事業サイズの方々にご応募いただきました」(Square)としている。
試用プログラムは、6カ国で実績のあるTap to Pay on Android正規版の日本語ベータ版を試してもらうものだ。海外で同プログラムを試した事業者の声として、米国ワシントンDCにある創業50年を超えるガレージドア修理の専門店であるOverhead Door Company(オーバーヘッド・ドア・カンパニー)では「私たちは一日の中で何件もの依頼に対応するため、常に依頼先へ訪問している技術者を多く抱えています。Tap to Pay on Androidを利用して決済の利便性とスピードを両立させ、お客さまに喜んでいただいています。技術者は、依頼先である現場での仕事を終えたときにスマホを取り出し、お客さまに各種カードまたはウォレットが搭載されたスマホでタップして決済をしてもらった後、すぐに次の予約のために移動することができます。同時に本部にいる私たちは、Square データ上で現場での売上をすべて把握することができます」と答えている。
オーストラリアの南オーストラリア州を拠点にコーチングとカウンセリングを行うThe Clearing Room(ザ・クリアリング・ルーム)では、「私たちには、オーストラリア中のできるだけ多くの若者を助けたいという強い使命があります。SquareをTap to Pay on Androidで使うことで、家庭や学校でのセッションがとても簡単になり、親や教師がより効果的に幼児をサポートできるようになりました」と使用した感想を述べている。
英国で最初にTap to Pay on Androidをテストした加盟店の1つであるBeauty Within(ビューティー・ウィジン)では、「私のお客さまは、自宅に居ながらにしてトリートメントを行いたいとリクエストしてくることが多いため、Tap to Pay on Androidのような機能は重要です」とした。
国内でのトライアル実施の背景は?
PayPayは一台で対応、電子マネーは別端末が必要に
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