2011年4月12日7:00
全国160カ所の百貨店で利用できる「百貨店ギフトカード」
商品券よりもカジュアルな利用シーンを創出
全国160カ所の百貨店で利用できる「百貨店ギフトカード」は、カジュアルなギフトシーンを創出する商品となっている。同カード発行の経緯と今後の展開について日本百貨店協会に話を聞いた。
販売金額は5種類を用意
「百」を意匠化したデザインを採用
日本百貨店協会では、2008年11月から、全国160の百貨店で利用できる「百貨店ギフトカード」をスタートさせた。百貨店では古くから「百貨店共通商品券」を発行しているが、日本百貨店協会では、よりカジュアルなシーンで利用できる新しいギフト商品として、ギフトカードに着目した。
米国では数多くの流通小売店でギフトカードが発売されている。日本百貨店協会では、米国の事例などを研究し、約2年半にわたる開発から、よりカジュアルでスマートなギフトカードであれば、贈る側にとっても使う側にとっても魅力的であると考えた。
「百貨店共通商品券でマッチしにくいカジュアルな部分を百貨店ギフトカードが補うことができれば、百貨店でのギフト市場をさらに拡大できると思います」(日本百貨店協会 担当者)
販売券種は、5,000円、1万円、2万円、3万円、5万円の5種類で、いずれのカードも使いきりとなっており再チャージはできない。百貨店では、5,000円、1万円を入金したカードがよく売れているようだ。
カードデザインは百貨店の「百」を意匠化したデザインを採用し、「赤」「白」「黒」の3色を用意した。ギフトカードを購入した顧客に対しては、薄くてコンパクトなパッケージングをカードの包装用に使用している。
カードは無期限で買い物に利用できる
全国の3分の2の店舗で利用可能
他の流通事業者が発行するギフトカードの場合、利用の有効期限を設けているのが一般的だが、百貨店ギフトカードは無期限で買い物に利用できる。残高の確認方法は、発行時や利用時に発行するレシート、ギフトカードを取り扱う百貨店の窓口、百貨店ギフトカードのWebページ、フリーダイヤルへの電話のいずれかで確認することが可能だ。
現在、カードを利用できる店舗は、日本百貨店協会に加盟する241店舗の3分の2にあたる約160店舗。百貨店ギフトカード用に決済システムを作り込むとなるとPOSの改修が必要となるため、まだ導入していない百貨店の中には、リプレース時に発行の開始を検討しているところもあるという。また、POSを改修せずに、ギフトカードの発行を開始できるように安価な専用端末を導入している百貨店もある。
残高管理の仕組みは凸版印刷と富士通エフ・アイ・ピーが構築したセンターで一括して行っている。発行する店舗にとっては、サーバで管理するシステムにより、店舗のオペレーションが簡素化されるメリットもある。