2024年5月17日7:00
デジタル通貨フォーラム地域通貨分科会に参加するパナソニック ホールディング、SocioFuture、auフィナンシャルホールディングス、TIS、およびディーカレットDCPは、2024年3月21日にデジタル通貨「DCJPY」を用いたトークン型観光周遊パスに関わる技術検証を実施した。同検証では、定額料金で電車やバスなどが乗り放題になる観光周遊パスをトークンで実装し、DCJPYのスマートコントラクトによる複雑な事務処理(例:交通機関や店舗に対する利用状況に応じた精算や、利用者に対する未使用分のポイントバック、紹介者に対する報酬の付与等)の自動化に関する検証を行った。
同検証では、パナソニック ホールディングスがDCJPY上でのスマートコントラクトの開発、SocioFuture、auフィナンシャルホールディングスが実証シナリオ策定の知見提供、TIS、ディーカレットDCPが本検証の推進・管理(計画、シナリオのとりまとめなど)を担った。なお、シナリオ策定に際しては同じ分科会参加企業であるJR西日本も知見を提供している。
DCJPYは商取引、契約行為と資金決済とを同期させ、企業やサービス同士を連携することで、ビジネスと金融サービスとの統合・一体化を実現し、経済社会に大きな変革をもたらす可能性があるとした。同検証を通じてDCJPYネットワーク上のスマートコントラクトを利用することで、周遊パスに関わる基本的なユースケースについて自動化・省力化の技術的な実現性を確認することができたそうだ。また周遊パスをサービスとして社会実装するにあたっての課題についても、今回の検証スコープ外の部分も含め一定程度抽出できているという。
地域通貨分科会では継続的に課題の深掘りについて協議すると共に、周遊パスと利用者の厳格な本人認証を経て発行されるデジタルIDとを紐付け、域外の観光客と域内の住民とで利用条件に差異を設けることで、利用者に魅力のある商品設定の実施することも検討する。また、周遊パスを紹介した利用者へ紹介報酬を自動的に付与、周遊パスのさらなる購入者の拡大、周遊パスをNFTとして生成・管理することによる交通機関や店舗の利用などのミッション達成状況に応じた報酬の受取や楽しい思い出を記録する唯一無二のコレクションとしての所持なども検討するそうだ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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