2024年8月28日16:30
HashPortと日立製作所は、生体認証技術を活用した安心・安全・便利なWeb3ウォレットの社会実装に向けた協業を開始すると発表した。同協業では、HashPortが提供するWeb3ウォレット基盤Hash Walletに、日立の公開型生体認証基盤PBIを組み込むことで、ユーザーは事前に設定した生体情報の認証(顔認証)により本人確認ができるようになる。これにより、Web3ウォレットを活用した暗号資産取引や、DID・NFT・SBTの利用におけるセキュリティとユーザーエクスペリエンスを向上させるという。なお、PBIをWeb3ウォレットに組み込むための基盤には、日立の生体認証統合基盤サービスを活用している。
ブロックチェーン技術の進化により、ユーザーがブロックチェーンネットワーク上の自身のデジタル資産を管理できるWeb3ウォレットが注目を集めている。Web3ウォレットは、ユーザーが資産にアクセスするための秘密鍵を暗号資産交換業者などの第三者が管理するカストディアルウォレットと、ユーザーが秘密鍵を直接管理するノンカストディアルウォレットに分類される。カストディアルウォレットのハッキングや、暗号資産流出などを防ぐため、より安全でリスクの低いノンカストディアルウォレットの普及が世界的に進められているそうだ。
HashPortは、ノンカストディアルウォレット基盤Hash Walletを提供しており、大阪・関西万博の公式ウォレットアプリ「EXPO2025デジタルウォレット」をはじめとする複数のプロジェクトの基盤として採用されている。Hash Walletのセキュリティとユーザーエクスペリエンスをさらに向上させるため、HashPortと日立は、PBIを活用したWeb3ウォレットの社会実装に向けた協業を開始した。
従来のノンカストディアルウォレットでは、秘密鍵の管理のためにユーザーが設定したパスコードをユーザー自身が管理する必要があるが、設定したパスコードを忘却・紛失した場合、ユーザーは自分の資産にアクセスできなくなる可能性があるという。Hash Walletに生体認証技術を組み込むことで、ユーザーは事前に設定した生体情報の認証(顔認証)により本人確認ができるため、パスコード無しでブロックチェーンネットワーク上の自身のデジタル資産の管理が可能になる。
また、一般的に、ウォレットの秘密鍵が漏えいしてしまった場合、ブロックチェーンネットワーク上で管理している資産が危険にさらされる可能性がある。PBIは、ウォレットの秘密鍵を生体情報により暗号化して本人以外には復元できない形に変換するため、万が一、生体情報が漏えいしても悪用される心配はなく、高い安全性を確保できるそうだ。
HashPortと日立は、NFTの利用やイベント/施設の入退場管理をはじめとしたさまざまなシーンにおいて、PBIを適用したHash WalletによるWeb3ウォレット体験の提供を検討しているそうだ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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