投資・配当型クラウドファンディングサービス「ヤマワケ」、金融商品におけるAmazonの立ち位置を目指す

2024年8月30日8:30

WeCapitalは、融資型(貸付型)のクラウドファンディングサービスを2024年8月28日に提供開始した。ヤマワケでは、人・モノ・コトなどあらゆるものを証券化し、金融商品のAmazonのような立ち位置を目指すという。

8月28日開催の記者説明会。左からWeCapital 代表取締役 松田悠介氏、オフィシャルアンバサダーの本田圭佑さん。本田さんは投資・配当型クラウドファンディングの良いところや「ヤマワケ」への今後の期待を語った

人・モノ・コトなどを証券化
人々の身近なものが対象に

ヤマワケでは、2023年9月に不動産クラウドファンディング「ヤマワケエステート」をローンチした。募集は300億近く、組成ファンド数120となっており、順調な滑り出しを見せているという。28日には「融資型(貸付型)」のクラウドファンディングサービスの提供を開始する。

WeCapitalは第二種金融商品取引業、宅地建物取引業と合わせてライセンスを取得している。同社の組織図として、不動産クラウドファンディング「ヤマワケエステート」は、100%子会社のヤマワケエステートが担っている。ヤマワケエステートの傘下には家賃保証を行うヤマワケギャランティがある。これにより募集から管理まで一気通貫で行うことが可能だ。

融資型クラウドファンディング「ヤマワケレンディング」は、WeCapital本体および貸金業である100%子会社のヤマワケレンディングが担う。さらに、芸術家やスポーツ選手の育成を兼ねた取り組みを行う「ヤマワケアート」も設立している。

ヤマワケでは、人・モノ・コトなどの証券化となり、投資・配当型クラウドファンディングを目指している。「もっと皆さんの身近なものを証券化される」(松田氏)。例えば、居酒屋やアパレルなどの店舗、メーカーの商品、イベント、不動産、太陽光、貴金属、車両などが対象となる。これまでは不動産を中心に推進してきたが、今後はコトを中心に証券化を進め、来年にはアーティスト、スポーツ選手など、人の証券化を目指す。将来性豊かなスポーツ選手を証券化し、選手の栄養費や練習用具、遠征費用などをファンドから捻出することで、プロ契約が取れたり年俸が高騰した時にインセンティブが発生するモデルを展開していく予定だという。

クラウドファンディングの市場規模は日本では2,000億円といわれているが、欧米はその数倍あるそうだ。松田氏は、気に入ったモノやコトに直接的に投資できる機会を増やし、日本でもクラウドファンディングを根付かせていきたいとした。

購入型のEC機能が紐づく世界を視野に
フェスやライブを第一弾として展開

ヤマワケレンディングは、WeCapitalが募集を行い、そのお金を受け取ったヤマワケレンディングがお金を借りたい企業や個人に貸し付ける仕組みだ。借入企業がヤマワケレンディングに元本と利息を返済し、その返済額からWeCapitalを介して各投資家に分配・償還を行う。例えば、店舗に投資をした人は、店舗を訪れる顧客になる可能性がある。200人、300人の投資家が集まると店舗のファンを作ることにもつながる。ヤマワケでは、利回り水準8%以下の商品は出さないそうで、10%台の商品を揃えて準備をしてきたという。これにより、レンディングやクラウドファンディング市場全体を底上げしていきたいそうだ。

松田氏は、今後の展開として、金融商品のAmazonのような立ち位置を目指すという。投資信託やパッケージ型の商品ではなく、人々が気に入った店舗や商品など、自分の身の回りにあるものすべてが証券化されて金融商品化されると、購入型のEC機能が紐づく。例えば、店舗に投資をして、配当を得るとともに、その店舗の商品も購入できるファン共存型のモデルも展開できると見ている。まずはフェスやライブを第一弾として開始する。興行にかかる費用は先出しとなるため、推しのアーティストに対して投資をすることにより配当権利があり、グッズや優待が付くモデルはレンディングで実現しやすいとした。

なお、サービス開始記念キャンペーンとして、ヤマワケに会員登録した人にAmazonギフトカード500円分をプレゼントするキャンペーンを実施している。

お笑いコンビ「さらば青春の光」の森田哲矢さんが自身の経営する会社を松田氏にプレゼン。「A評価」を獲得した

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