ウエスタンユニオンと提携し、7月19日からATMでも海外送金を開始(セブン銀行)

2011年7月6日8:31

ウエスタンユニオンと提携し、7月19日からATMでも海外送金を開始
1万5,000台のセブン銀行ATMで24時間365日送金が可能に

セブン銀行は、ウエスタンユニオンと提携し、2011年7月19日から、国内に1万5,000台以上設置されているセブン銀行ATMでも海外送金サービスを開始する。これにより利用者は、セブン銀行ATMまたはインターネット・モバイルバンキングを利用し、24時間365日の送金が可能となる。

セブン銀行/ウエスタンユニオン

1万5,000台のATMネットワークを活用

世界200カ国、45万5,000箇所で受け取りが可能

セブン銀行の海外送金サービスは、世界最大の送金事業者であるウエスタンユニオン(Western Union)のネットワークを使い、モバイル・インターネットバンキングでの海外送金サービスを2011年3月からスタートしている。

日本で働く外国人労働者が自国に送金を行う際、手続きが面倒で、時間がかかり、手数料が高いという不満が挙げられていた。また、セブン銀行では、1万5,000台のATMネットワークがメインとなっているが、国内在住の外国人から、早くATMで使いたいという声も寄せられていたという。

右からセブン銀行 会長 安斎隆氏、ウエスタンユニオン ドリーナ・ユー氏、ゲストのオスマン・サンコン氏、ウエスタンユニオンの阪本安廣氏、セブン銀行 代表取締役社長 ニ子石 謙輔氏

「全国に広がる当社のATMネットワーク、ウエスタンユニオンさんの世界200カ国のネットワークと圧倒的なブランド力を合わせれば時代にマッチしたいいサービスが実現できます」とセブン銀行 代表取締役社長 ニ子石 謙輔氏は期待を込める。

ウエスタンユニオンは、世界の約200の国と地域に45万5,000箇所の拠点を有しており、2010年は760億米ドルの元金の移動を行った。

「オンライン銀行口座と全国的なATMネットワークのネットワークを通じ、消費者に便利なサービスを提供しているセブン銀行の名声、評判はウエスタンユニオンにとって魅力でした。また、アジア太平洋地域において日本は、消費者がATMから世界のどこへでも送金ができるシステムを提供できるウエスタンユニオンにとって最初の国となります」(ウエスタンユニオン シニアバイスプレジデント マネージングディレクター 日本・アジア太平洋地域担当 ドリーナ・ユー氏)

利用者は、セブン銀行口座よりセブン銀行ATMまたはインターネット・モバイルバンキングを利用して、24時間365日、自身の都合に合わせて送金が可能だ。従来は「Account to Account(口座から口座)」の送金であったが、ウエスタンユニオンでは「Acount to Person(口座から人)」の送金が可能である。ニ子石氏は、「一度サービスを利用していただければ画期的なサービスであるとご理解いただけます」と自信を見せる。

現金を送る利用者のメリットとしては、手数料の安さも挙げられる。1万円までは990円、5万円までは1,500円と、従来の銀行からの送金よりもリーズナブルな手数料で送金が可能だ。また、受取拠点の多さも他の送金サービスにはない特徴となっている。さらに、利用者が急いで送金したい時にも数分で確実に送金が可能だ。

アンチマネーロンダリング対応を強化

数分で海外送金から現地での受け取りまでが完了

セキュリティ体制も十分に気を配り、サービスの内容は個人間送金に特化した。送金可能額は1回あたり50万円、1日50万円、1カ月50万円、1年で300万円に制限。また、口座作成時に本人確認およびAML(アンチマネーロンダリング)やCFT(カウンターファイナンシング オブ テロリズム)のチェックにより、不正利用を防止する。さらに、最大6件まで登録できる送金相手の事前登録やAML、CFTのチェックもあわせて行う。送金時には本人確認(PIN入力、ID・パスワード入力)、限度額、送金目的のチェックを実施。事後には銀行口座のモニタリングや定期的な口座の住所確認などの対応を行っている。

日本からフィリピン・マニラにいるマリシェル・ヤオ氏への送金から受け取りまでわずか数分で完了

なお、AMLツールとしては、CSKの総合口座取引モニタリングシステム「BankSavior」とNTTデータ ジェトロニクスの「Oculus(オキュラス)」を導入している。

今回の記者会見では、実際にインターネットバンキングを利用して、セブン銀行 企画部CSR・広報室長 山本健一氏から、ウエスタンユニオンの窓口が約8,000箇所あるフィリピンのマニラにいるマリシェル・ヤオ氏に1万円を送金した。

山本氏は、インターネットバンキングにログオンした後、サービスメニューから「海外送金」を選び、送金先としてマリシェル・ヤオ氏を選択。送金先や送金目的、送金金額を選択し、送金依頼を実行した。山本氏は送金受付完了後、10桁の送金処理番号(MTCN)をマリシェル・ヤオ氏に連絡。マリシェル・ヤオ氏は送金処理番号を記載した送金受取フォームと本人確認証明書をウエスタンユニオンの窓口に提示し、1万円分のフィリピン・ペソを受け取った。その間、わずか数分で海外送金から現地での受け取りまでが完了した。

7月19日からはATMでも海外送金が可能となるが、「慣れてくれば1分もかからないで送金が終わります」とセブン銀行 取締役常務執行役員企画部長 舟竹泰昭氏は、迅速・簡単に海外送金ができることをPRした。

オスマン・サンコン氏も応援

年間100万件の送金を目指す

送金処理番号(MTCN)およびテストクエスチョンとアンサーを受付完了後の明細書に表示

記者会見には、ギニア大使館補佐官のオスマン・サンコン氏が特別ゲストとして登場。同氏は兄弟が22人おり、たくさんの親戚がいるため、「これまで、海外に資金を送金するのに苦労していた」という。また海外送金サービスは親孝行にもつながることから、同サービスを応援していきたいと話した。

日本における海外送金のマーケットは個人送金額で年間8,000億円~1兆円あり、1回あたりの送金額は7~8万円、1,000~1,200万件のトランザクションがあると言われている。セブン銀行では、今後も海外送金のマーケットは増えると予想しており、3~5年で送金件数年間100万件を目指す。

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