2025年9月18日8:05
愛媛県と楽天グループは、ECサイト直結型の物産展「愛媛百貨店」を2025年9月17日~25日まで大丸東京店で開催している。同店舗では、対面決済も可能だが、楽天のECサイトと流通ルートを使用し、"手ぶら"で買い物ができるOMOの取り組みを行っている。楽天グループ 地方創生事業 共創推進部 シニアマネージャー 中川卓哉氏は「楽天グループが自治体とOMOサービスに取り組むのは初の事例となります」と説明する。
楽天市場内に「愛媛百貨店」を開設
東京と大阪でリアルイベント
愛媛県では、行政には珍しい営業本部があり、県内事業者の国内外への販路開拓を支援している。2020年には楽天グループと包括連携協定を締結し、楽天市場内に開設した「愛媛百貨店」を活用し、デジタルを活用した取り組みを行ってきた。大阪では9月1日~30日まで、KITTE大阪で物産展「愛媛百貨店POPUP STORE」を展開しているが、このほど東京でも大丸東京店で行うこととなった。
同物産展では、ご当地お菓子、今治タオル、砥部焼、地酒など約210品目の特産品を展示・販売。8種類のみかんから選べるゼリーの自動販売機や、あこや真珠のカプセルトイなどのコンテンツに加え、 伊予水引のワークショップや地酒飲み比べ会など、買い物だけに留まらない愛媛の伝統文化を体験できるプログラムも提供しているそうだ。
国内外問わず購入品を自宅へ発送
QRコードを読み取り、買い物が可能に
愛媛県の商品が勢ぞろいした同物産展では、訪日観光客は海外配送サービス「Rakuten Global Express」で、国内外問わず購入品を自宅へ発送できる。コロナ禍でECサイトへの店舗展開が加速したなか、現在オフラインでの体験需要が高まりポップアップストアの出店が増加傾向にある。国土交通省は平成25年度より「手ぶら観光」を観光立国推進の重要施策として位置づけ、訪日外国人旅行者に対して宅配運送サービスを利用した定着を推奨。各宅配業者でも同様に訪日観光客に対してサービスを広げている。そこで、楽天グループは「オフラインの店舗体験」と「手ぶら観光」の両者を兼ね備えた新しい形の物産展を開催することとなった。
同物産展の最大の特徴は、店舗とオンラインを繋ぐ楽天ならではの購買システムだという。同社ではこれまで東急、丸井などと連携し、6以上のOMO企画を実施している。中川氏によると、自治体と初のOMOに取り組むのは大きなチャレンジであるとした。
利用者は、商品に付けられたQRコードをスマートフォンで読み取り、その場でオンライン購入することができる。そのまま楽天の「愛媛百貨店」のサイトに遷移するため、商品を持ち歩くことなく「手ぶら」で買い物できる。また、「愛媛百貨店」では1万点以上の商品、年間数十億円を販売しており、物産展では手に入らない商品のついで買いも可能だ。中川氏は「マーケティングデータを活用する形で、販路拡大を支援し、全国の方にお届けしています」と話す。
国内に「お買い物用住所」を設定して海外配送
全世界に販路を拡大し、継続購入促進
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