2025年9月22日15:18
フェリカポケットマーケティング(FPM)とネットスターズは業務提携し、FPMが自治体向けの新しい地域通貨パッケージ「まちトクPay」を開発し、リリースしたと発表した。
「まちトクPay」はネットスターズが提供するマルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」と接続することで、全国で利用できるキャッシュレス決済サービスと域内消費を促す地域通貨(マネー・ポイント)を組み合わせたサービスだ。
現在も多くの自治体で実施されているキャッシュレスポイント還元事業においては、自治体が税金で負担する還元ポイントの域外流出を防ぐことができないことが課題とされてきた。
「まちトクPay」のキャッシュレスサービス連携機能では、利用が地域内に限定される地域ポイント(地域通貨)で還元されるため、域外流出の課題を解決することが可能だという。
「まちトクPay」は、全国で利用が拡大しているキャッシュレスサービスの利便性と、限定地域内で循環する地域通貨の良さを組み合わせた地域通貨パッケージとなる。
FPMではこれまで自治体独自の地域通貨(マネー・ポイント)やデジタル商品券のためのプラットフォームを提供してきた。その取り組みの中で、多くの自治体から「キャッシュレスポイント還元事業では、還元ポイント(税金)が域外で消費されてしまうことを防げず、政策効果が十分に出ないことを市民や議会から指摘を受ける」という課題の相談を受けてきた。
そこでFPMは、こうした自治体からのニーズに応え、「域外流出しないキャッシュレスポイント還元事業の仕組み」を創るために、ネットスターズの「StarPay」と接続、複数の全国的なキャッシュレスサービスを利用者が選択して利用できる「キャッシュレスサービスの利便性」と「域外流出しない=地域通貨」を組み合わせたパッケージ「まちトクPay」を開発した。
全国で利用できる主要なキャッシュレス決済サービスと連携することで、利用者は使い慣れた決済サービスをそのまま利用できるため、その利便性を損なわずに地域内での消費循環を促すことが可能だ。また自治体のニーズに応じてデジタル商品券事業にも対応できるため、地域通貨としてだけでなく商品券としても導入しやすい地域通貨パッケージだという。
「まちトクPay」は、AEON Pay、au PAY、メルペイの3社のキャッシュレスサービスと連携している。今後d払い と楽天ペイとも連携予定だ。
「まちトクPay」アプリで店頭の共通二次元コードを読み込み、支払金額を入力後、支払方法を選択することで、各キャッシュレス決済サービスのアプリが起動し、決済が完了する。また、地域限定ポイントと各キャッシュレス決済サービスとの併用払いも可能だ。
同サービスは、2025年10月から広島市の楽々園商店街においてPoC(実証実験)を開始し、その成果を踏まえつつ、初年度で30自治体への導入を目指す。まずはキャッシュレスポイント還元や商品券などの短期的施策のためのきっかけとなり、将来的には継続的な地域通貨事業や決済だけでなく健康・エコ・行政手続きなどの日常生活密着型の官民サービスを集約する市民アプリにつなげたいと考えている。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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