2025年12月27日20:46
SBI証券、大和証券、SBI新生銀行、BOOSTRY、大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)、ディーカレットDCPは、セキュリティトークン(以下、ST)の二次流通市場の発展に向けた新たな決済スキームを実現するべく、トークン化預金DCJPYを利用したSTのDVP2決済の実証に関する協業を開始した。同プロジェクト関係者は、2025年8月に、検証用データを用いたSTとDCJPYのDVP決済の検証を実施し、STの二次流通時を想定したDVP決済に係るシステムイメージと業務フローの整理を概ね完了している。今後、STおよびDCJPYの実発行による検証に取り組むという。

2020年の国内初のデジタル債(私募債)発行以来、国内のST市場は商品性の多様化や取扱金融機関の拡大が加速し、2025年11月末における公募発行総額は2,700億円の規模まで成長している。一方で、ブロックチェーン上でSTの受け渡しが即座に行われることに対し、資金決済は銀行振込で実施していることから、証券業界では決済リスクの管理強化と事務負担の軽減が課題として指摘されていた。今後のST市場の拡大にともない、この課題の解決は重要となっており、デジタル通貨を活用したDVP決済方式の標準化と早期の実用化が期待されている。
同プロジェクトでは、BOOSTRYとディーカレットDCPとのシステム連携による新たな決済スキームを、SBI証券と大和証券との間のSTの売買取引で実証する。これにより、決済リスクと事務負担を低減するDVP決済をSTの二次流通市場における売買の決済方法の1つとして実証し、ST市場のさらなる拡大に貢献することを目指す。
具体的に、STの二次流通時におけるDCJPYを利用したDVP決済を同プロジェクトの実証スコープとしており、BOOSTRYが開発を主導し、コンソーシアム事務局として運営・維持を行うブロックチェーン”ibet for Fin”をプラットフォームとして発行・管理されるSTと、ディーカレットDCPのプラットフォームを利用してSBI新生銀行が発行するDCJPYを実証過程で利用する予定だ。同プロジェクトにおける実証スキームと各参加者の役割として、①売方証券会社はセキュリティトークン(ST)を仮移転(本移転前の準備)、②STの決済情報を各システム間で連携、③買方証券会社はDCJPYの発行を依頼(発行額を預金口座から専用口座に振替)、④買方証券会社は、売方証券会社へのDCJPY移転(振込)指図を実施、⑤ディーカレットDCPは決済情報を照合、⑥DCJPY移転と同時にシステム連携によりST移転実行に署名(STが本移転)、⑦売方証券会社はDCJPYの償却を依頼(発行額を専用口座から預金口座に振替)となる。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
カード決済、PCI DSS、ICカード・ポイントカードの啓蒙ポータルサイト















