2011年9月2日12:06
凸版印刷は、NFC市場に向け、キーホルダー型やリストバンド型など、さまざまな形状に加工可能なNFC対応ICタグを開発したと発表した。同社では、2011年9月中旬より、コンサートのチケッティングやアミューズメント施設の入館管理、ガソリンスタンドのID認証などの用途に向け販売を開始する。
NFCの関連市場は、今後2015年までに累計300億円になると想定されている。これにより、イベント主催者などは、入館管理などで従来必要だった専用のICタグリーダライタを購入しなくても、広く普及したNFC搭載携帯電話端末の読み取り機能で業務を代替できるため、NFC対応のICタグのニーズが増大すると同社では予想している。
今回、凸版印刷では、ISO14443-TypeA、FeliCa、ISO15693に対応した小型アンテナを開発。同アンテナにより、携帯電話クリーナーなどへの一体加工を可能にしている。また、企業や生活者の用途にあわせたさまざまな形状、印刷などのカスタマイズ対応が可能だ。例えば、キーホルダー型、携帯クリーナー型、ラベルタグ型、携帯ストラップ型、リストバンド型などのNFC対応ICタグが利用できる。
利用例としては、「コンサートやプロスポーツ観戦のチケッティング機能が付いたファンクラブ会員証タグ」、「アミューズメント施設や入浴施設などのポイント管理・入館管理用タグ・年間パスポートタグ」、「ガソリンスタンドの支払い時にリーダーにかざし、クレジットカードと紐付けるID証タグ」、「企業のショーケース、展示会、就職説明会などイベントの入館管理、会場内回遊把握ID証タグ」、「学校や塾の登下校時にリーダーにかざすことで、子供の所在を親の携帯電話に知らせるID証タグ」などを想定している。
参考価格は、1万個製造した場合に1個あたり350円から(携帯クリーナータイプ)となる。同社では、関連システムの受注なども含め、2012年度1億円の売上を目指す。(関連システム受注含む)
凸版印刷は今後、非接触IC決済サービスの「paypass」、「Visa payWave」など電子マネーに対応したICタグ製品の開発を行うという。これら製品を、トッパン・フォームズが提供する、「非接触ICカードを使った決済プラットフォームサービス」とともに、クレジットカード会社や電子マネー事業者に提供する方針だ。