2026年7月30日8:15
和田 文明
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プロフィール キャッシュレス、電子マネー関連のジャーナリスト/ライター、主に欧米、アジアのセキュリティを含むキャッシュレス情報、カスタマーロイヤルティプログラム情報を取材 |
世界の金融システムがアナログの紙や金属の“紙幣・硬貨”から“デジタル通貨”へと移行する中で、注目されているのが“ステーブルコイン”(Stablecoin)と“CBDC”(Central Bank Digital Currency、中央銀行デジタル通貨)である。世界各地で現在沢山の試みが行われている“ステーブルコイン”と“CBDC”について第1部で紹介したが、続く第2部では、PayPalのステーブルコイン(Stablecoin)である“PYUSD”とPayPalの“Pay with Crypto”などのデジタル通貨決済ソリューションについてレポートしてみたい。また、“デジタル通貨のハイブリットモデル”(第4回)やデジタル通貨による“未来の財布”(第5回)についても触れておきたい。
テーブルコイン(Stablecoin)とCBDC(Central Bank Digital Currency) 第1部
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Index(目次) (1)ステーブルコインとCBDCのキーワード (2)ステーブルコインとCBDCについて (3)デジタル通貨の分類について (4)世界の主なステーブルコイン、CBDC、トークン化預金 (5)欧米のステーブルコインの法規制について |
ステーブルコイン(Stablecoin)とCBDC(Central Bank Digital Currency) 第2部
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Index(目次) (1)PayPalのステーブルコイン“PYUSD” (2)PayPal のデジタル通貨決済ソリューション“Pay with Crypto” (3)PSPと暗号通貨決済 (4)デジタル通貨のハイブリットモデル (5)未来の財布 |
<参考文献・資料>(1部、2部共通) ・『デジタル円とステーブルコインの衝撃』、日本経済新聞 ・『CBDC中央銀行デジタル通貨の衝撃』、新潮社 ・『CBDC・ステーブルコインが変える社会』 ・『未来のお金の設計図、ステーブルコインの衝撃』、ブイツソーリューション ・『小説デジタル人民元』、潮出版 ・『日経ビジネス』“特集ステーブルコイン革命”2026年3月9日号、日経ビジネス ・『SORAMITUS』、日経BP ・『仮想通貨の時代』、マイナビ ・『世界通貨を発行せよ!』、ビジネス社 ・『ブロックチェーンの未来』、日本経済新聞社 ・『Libraリブラの正体』、日本経済新聞社 ・『Libraリブラ』、日本経済新聞社出版社 ・『デジタルゴールド』、日本経済新聞社出版社 ・『20億人の未来銀行』、日経BP ・『お金2.0』、幻冬舎 ・『バーチャルマネーの法務(第2版)』 ・『仮想通貨リップルの衝撃』、天夢社 ・『The New Money』、かんき出版 ・『ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた未来』、ダイヤモンド社 ・『デジタル円』、日本経済新聞社 ・『米中知られざる「仮想通貨」戦争の内幕』、宝島社 ・『創始者たち』ダイヤモンド社刊 ・『経済セミナー、2024年2・3号、特集:中央銀行デジタル通貨は金融をどう変える?』日本評論社 ・『Blueprint for the future monetary system Annual Economic Report 2023』、BIS(国際決済銀行) ・『Digital Money Steering Group Papers』、IMF(国際通貨基金) ・『Tokenized Deposits: A New Category of Digital Assets』、J.P. Morgan Onyx ・『CBDC:CENTRAL BANK DIGITAL CURRENCIES』、 ・『IBRA THE GLLOBAL CRYPTOCURRENCY OF FACEBOOK』、C. Baker ・『The Money Flower』、BIS ・『Global Stablecoins Report 2026』、The Paypers ・『The PayPal Wars』WND BOOKS ・PayPal Cryptocurrency Terms and Conditions ・Financial Times "The rise of regulated stablecoins: Why PayPal succeeded where Meta failed" ・PayPal Newsroom (2025-2026) "Policy Updates and PYUSD Expansion reports" ・Financial Times "The rise of regulated stablecoins: Why PayPal succeeded where Meta failed" ・BISのHP ・日本銀行のHP ・総務省のHP ・国際決済銀行(BIS)のHP ・米連邦準備制度理事会(FRB)のHP ・欧州中央銀行(ECB)のHP ・国際通貨基金 (IMF) ・世界経済フォーラム(World Economic Forum)のHP ・中国人民銀行のHP ・PayPalのHP ・PAXOSのHP ・StripeのHP ・AydenのHP ・Congressional Research Service(CRS)のHP ・CFA InstituteのHP
1、PayPalのステーブルコイン“PYUSD”
ステーブルコイン(Stablecoin)とCBDC(Central Bank Digital Currency、中央銀行デジタル通貨)第2部の1回目は、代替オンラインペイメントソリューションのPayPalのステーブルコイン(Stablecoin)である“PYUSD”についてレポートしてみたい。また、過ってMeta(旧Facebook)が主導し、最終的に断念したステーブルコイン(Stablecoin)の“Libra”(後のDiem)とPayPalの“PYUSD”を比較してみたい。
PYUSD (PayPal USD)
PayPalが提供するステーブルコイン(Stablecoin)の“PYUSD”(PayPal USD) は、単なる決済の手段を超え、アメリカのみならず世界70カ国以上のマーケットで利用されるデジタル通貨の主要インフラへと進化し、2026年4月初旬時点で時価総額は約41億ドル(約6,150億円)で、主要なステーブルコインの地位を占めている。現在、PayPalのステーブルコイン(Stablecoin)の“PYUSD”(PayPal USD) の戦略は、単なる暗号資産の枠を超え、世界で最も実用的なデジタル決済インフラへと進化することに主眼を置いているといわれている。
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PayPalのステーブルコイン(Stablecoin)である“PYUSD”(PayPal USD)の最大の特徴は、暗号資産の世界と既存の巨大決済網を直結させたことにある。ステーブルコイン(Stablecoin)が投資家向けであるのに対し、“PYUSD”(PayPal USD)はPayPalが持つ膨大なユーザー基盤と加盟店ネットワークを背景に、一般消費者が日常で使う“デジタルドル”としてのポジションを確立したとされている。ステーブルコイン(Stablecoin)の“PYUSD”(PayPal USD)は、YouTubeのクリエイター収益の受け取りや、越境ECのB2B決済において、クレジットカードに代わる選択肢として急速にシェアを伸ばしている。 |
PYUSDの基本スペックと現状
PayPalが発行する“PYUSD”(PayPal USD)は、米ドルと1対1で連動するように設計されたステーブルコイン(Stablecoin)で、その基本スペックは(表)の通りである。
(表) PYUSDの基本スペック
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発行体 |
Paxos Trust Company(PayPalの委託により発行) |
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時価総額 |
2026年4月初旬時点で約40億ドル(約6,000億円) |
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対応ネットワーク |
・当初の Ethereum に加え、高速・低コストの決済・Dapps(分散型アプリ)インフラのSolana (カリフォルニア州サンフランシスコ)ネットワークにも対応 ・日常的な決済や送金の多くはSolana上で行われている |
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利用可能範囲 |
・2026年3月の大型アップデートにより、アメリカ、イギリス、シンガポールを含む世界70ものマーケットへと拡大 |
出典:PayPalのHPなど
PayPalのステーブルコイン(Stablecoin)の“PYUSD”(PayPal USD)の利用可能エリアとエリア別の対応状況は、(表)の通り。
(表)エリア別の対応状況
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エリア |
ステータス |
備考 |
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アメリカ |
フル機能提供 |
報酬プログラム(4%)、Venmo連携、デビットカード決済が可能 |
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欧州(MiCA) |
認可済み |
欧州のMiCA法に基づきeマネートークンとして正式に流通 |
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シンガポール |
ビジネス向け |
法人アカウント限定、MASの規制枠組みに準拠して運用 |
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その他(70カ国) |
順次拡大中 |
2026年3月からラテンアメリカ、アジア太平洋諸国へ一挙拡大 |
出典:Pay PalのHPなど
2026年3月に発表されたPayPalのステーブルコイン(Stablecoin)の“PYUSD”(PayPal USD)の70市場への一挙拡大が象徴するように、これまでの特定の地域(北米)限定のステーブルコイン(Stablecoin)から、世界中で使える決済手段への脱皮を急いでいる。
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戦略 |
アジア・太平洋、欧州、ラテンアメリカの主要市場でPayPalアカウントを通じた直接アクセスを可能にし、SWIFTなどの従来の国際送金に代わる安価で高速な代替手段としての地位の確立を目指している |
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狙い |
利用可能な場所やシーンを増やすことで、通貨としての流動性と利便性を最大化し、ネットワーク効果向上を図っている |
出典:PayPalのHPなど
PYUSD(PayPal USD)の特徴と強み
〇圧倒的な使いやすさと報酬(Rewards)の提供
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