2011年12月27日10:00
決済代行事業者のGMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)は、2011年12月7日、東京都内で「Facebook活用セミナー」を開催した。
同社では、「Facebook内コマース支援パッケージ」を日本で初めてリリースするなど、Facebookページの企画・プロモーション立案、EC構築パッケージをベースとしたインターネットショップの活性化に力を入れている。また、ネットショップ構築サービスを展開するアラタナとFacebook上へインターネットショップを展開できるサービス「ソーシャルゲートウェイ」を展開。同セミナーでは「Facebookコマース成功事例」としてハースト婦人画報社の「25ans(ヴァンサンカン)」の事例を紹介した。
25ans がFacebookページを開設したのは2011年1月。ページ開設当初の1月~3月は、Twitterとの連携のみしか行っておらず、なかなか「いいね!」が付くことはなかったそうだ。4~6月は、Twitterとの連携や、25ansのオンラインサイト「ヴァンサンカン・オンライン」で紹介する情報への誘導を行い、少しずつ「いいね!」が付くことが増えてきたという。
7~9月は写真などの投稿が増え、雑誌の先き出し情報やオリジナルの情報を加えるなどの工夫を行った。また、ヴァンサンカン・オンラインからの誘導やFacebook広告により、ページ自体が活性化しつつあった。そして、10月以降は、Facebook独自の投稿を行うようになったことで、ウォールの投稿に対しても反応がよくなり、1回の投稿で100人の「いいね!」が付くことも頻繁になった。
25ansでは、富裕層などが愛読者となっているため、読者ターゲットが絞られることから、投稿に対するコメントや「いいね!」など、話題にしている率を向上させることに重きを置いているそうだ。日によっては200人を超える「いいね!」を獲得することもあるなど、同社の目的は達成されつつある。
「いいね!」の数も3,000を超えたため、25ansでは11月7日から、Facebook広告にもチャレンジ。25ansは出版不況といわれる中、広告収入は落ちておらず、定期購読者もコンスタントに獲得しているが、Facebookユーザーの中には定期購読者以外の利用者もいる。そのため、Facebookのみの限定クーポンとして、定期購読が10%オフになり、「いいね!」ボタンを押すとギフト券のコードが出てくる取り組みを実施した。結果、速報値で10月と比べ、11月は130%の売り上げアップに成功した。
「25ansは毎月100%の比率で定期購読者を獲得できていましたが、通常よりも30%新規の方が獲得できて驚きました。ウォールを活性化することにより、物が売れるというのは仮説として持っていましたが、新規ユーザーの獲得もできていますし、底上げの結果が出たのはよかったと思います。今後はこの割合を増やしていきたいです」(ハースト婦人画報社 広告本部25ans・メンズクラブビジネスディビジョンデジタルサービス部水上旭氏)
Facebookコマースの導入を支援したGMOペイメントゲートウェイ 経営企画室 集客支援サービスチーム 主任 小林孝氏は、25ansのFacebookコマース成功の要因として、まず、「投稿内容を分析してユーザーに喜ばれるウォール」であることを挙げた。また、ユーザーからウォールへの投稿に対して、しっかりと返信を行うことでエンゲージメントの強化を実現することに成功したことも大きいとしている。さらに、自社サイト、Twitterからの誘導、口コミからの流入などにより、質の高いファンを獲得したことも成功の要因だ。現状、Facebook広告は小額ながら、ラグジュアリー好きな層にターゲット配信を行うことで、経費を抑えているそうだ。最後に、Facebook限定の特別クーポンにより、特別感をさりげなく演出した点も成功の要因として挙げた。