2012年4月6日8:00
ジェーシービーと協力し、クレジット・銀聯決済導入を推進
中国人など訪日外国人旅行客の誘致に積極的に取り組む
北海道・ニセコ町は、世界でも最高レベルの雪質を誇るスキー場など豊富な観光資源を有し、訪日外国人旅行客の誘致に積極的に取り組んでいる。そのニセコ町の地域経済団体であるニセコ町商工会では、カード会社の(株)ジェーシービーと協力し、商工会加盟事業者に対して、クレジットカードや中国銀聯カードが利用できる決済端末の導入を推進している
ニセコ町商工会
北海道・ニセコ町には、オーストラリア・マレーシア・韓国・中国など、海外から数多くの観光客が訪れる。現状、ニセコ町商工会の加盟事業者の中には、クレジットカードや銀聯カード決済に対応している店舗は少ないため、外国人に対しての商売のチャンスを逃す可能性も考えられる。そのため、「ジェーシービーと協力し、クレジットカードと銀聯カードが利用できる端末を導入し、店舗の訴求力を高める狙いがあります」とニセコ町商工会 泉洋一氏は説明する。
これまで、中国人観光客については、団体旅行でニセコ町を訪れるケースが多かったが、「最近では家族単位でレンタカーを借りられて、長期滞在するケースも増えてきました。今後は、宿泊や土産物の購入だけではなく、飲食店や美容室を利用するケースが多くなると思います」と泉氏は話す。
ジェーシービーとは、1年近くかけて加盟店手数料などの条件面の調整を行い、両者で協力して加盟事業所にカード決済端末導入を働き掛けることとなった。
「導入に向けては、なるべく事業所のご負担を少なくできるように、ジェーシービーに配慮していただきました。銀聯カードの手数料率に関しても、通常に比べ低い金額となっています」(泉氏)
すでに2011年12月から、加盟事業所への紹介を開始。具体的には、ニセコ町商工会から事業所にカード決済導入のメリットについての説明を実施、興味を持った事業所に対し、実際の加盟店契約や端末の設置はジェーシービーが行う。
「基本的に、端末のなどのコストは事業所負担となるため、趣旨をご理解いただいたうえでご導入いただいています。事業所でも外国人観光客と接する中で、カード決済のニーズを感じているところが多いため、多くの事業所が導入していただけると思います」(泉氏)
現在、ニセコ町商工会は160事業所が加盟しており、すでに大手の宿泊施設などではカード決済を導入しており、「商工会がうかがっている範囲では、対象となる事業所の半数以上の事業所が現時点で導入に前向きです。4月には7~8割の事業所がカード決済を導入していただけると感じています」と泉氏は説明する。
すでに決済端末の設置はスタートしているが、導入の成果が表れるのはこれからとなる。泉氏は、「今後は、ジェーシービーの協力を得て、観光客が商工会加盟事業所でカード決済を利用すると、抽選で商品をプレゼントするキャンペーンなども行っていきたいです」と話す。すでにジェーシービーでは、東南アジアのジェーシービー会員などに対し、函館の魅力を伝えるキャンペーンを展開しているという。また、ニセコ町オリジナルのアクセプタンスマーク(加盟店に添付する利用できるペイメントブランドのステッカー)の作成もジェーシービーに依頼しているそうだ。
なお、ジェーシービーでは、ニセコアンヌプリ国際スキー場があるアンヌプリエリアにおいてもカード決済端末導入の提案を行っているという。