2012年5月31日15:21
ビザ・ワールドワイド(Visa)は、震災後の訪日外国人の決済動向を明らかにするため、Visaカード会員の決済データよりカード利用傾向を分析し、その結果を発表した。
2011年3月11日に東北地方を襲った地震・津波及び原発事故は日本の観光産業に深刻な影響を与え、3 月の訪日外国人旅行者数は震災直後50%も落ち込んだと言われている。その後、2011年4月の訪日外国人旅行者数は前年同月比で62%とさらに減少傾向を見せたが、10月の減少率は15%にとどまった。
同様に、日本国内での外国人のVisaカード会員のカード利用傾向を分析した、VisaVue Travelのデータによると、震災後の数カ月は、訪日外国人旅行者の決済総額および平均決済額が急激に落ち込んだ。しかし、5月以降、徐々に回復している。12月には震災後初めて訪日外国人旅行者の消費額がプラスに転じて2.407億ドルとなり、前年同期比3%の増加を記録している。
また、2011年全体の平均決済額は、前年比11.7%増の214.16 ドルとなった。この結果は2011年の戦後最高値水準が続いた円高の影響があると考えられ、実際の訪日外国人旅行者の平均決済額には大きな変化は読み取れなかったという。
分析期間1年を通じたVisaカード決済総額で最も大きかった国は、米国で7.03億ドル、続いて韓国の2.976億ドル、台湾の1.565億ドルと続く。
日本国内での訪日外国人の平均決済額においては、350.49ドルのタイが1位となり、続いてシンガポールの300.95ドル、香港の283.13ドルが続く。