2012年7月19日0:00
共通ポイントサービス「Tポイント」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、2012年7月18日に記者会見を行い、被災地域の子どもたちと、被災地域のコミュニティの場を支援する「Tカード提示で被災地の子どもたちに笑顔を。」プロジェクトの一環として、世界的に活躍する建築家の伊東豊雄氏とともに、4,093万人のT会員からの「Tポイント募金」によって取り組む「子どもたちの遊び場を作ろう」を実施すると発表した。
CCCでは、Tポイントアライアンス企業と共同で、被災地の子供たちの支援を行っている。同社では、2011年の東日本大震災を受け、被災地で子供たちのために児童館を建設する「Tカード提示で被災地に児童館を。」プロジェクトを行い、宮城県南三陸町と岩手県釜石市にそれぞれ児童館を建設している。
また、2012年4月2日からは、被災地域の子どもたちとコミュニティの場を支援する「Tカード提示で被災地の子どもたちに笑顔を。」プロジェクトを実施している。これは、T会員が貯めたポイントを児童館でのイベント開催に寄付できるものだ。
一方、伊東豊雄氏は現在、10万人以上の人々が家を失い、無味乾燥な仮設住宅での厳しい暮らしが続く中、より人間的で居心地の良い場所を提供したいとの想いで立ち上げられた「みんなの家」プロジェクトに取り組んでいる。
CCCと伊東豊雄氏は、両者が行っている東日本大震災被災地支援へのコンセプトが同じであることを受け、子どもたちが笑顔で遊べる「場」、希薄になってしまった地域の人々のコミュニティの「場」となる施設を建設する「子どもたちの遊び場をつくろう」の活動に共同で取り組む。建設地は宮城県東松島市となり、施設の設計・建築は伊東豊雄氏が手掛ける。また、750万円の建設費用は、7月18日から、Tサイト上でT会員からの募金で受け付ける。
伊東氏によると、「仮設住宅の中では子供達が集まる場所がない」という。また、被災地では、人と人のつながりを大切にしており、友達同士集まって話し合い、心と心が通じ合える場を提供していきたいとしている。
子どもたちの遊び場は、設計を始めたときから住民と一緒になって考え、建設することが趣旨となっている。そのため、今回発表した設計図は「少しは変わる可能性がある」(伊東氏)そうだ。同氏によると、広い縁側のある木造の集会所をつくることにより、人が自然と集まる場にしていきたいという。また、縁側をコンサートや話し合いの場として利用してもらうことを想定している。さらに、集会所の中には、テーブルがあり、そこで本の朗読を行ったり、クリスマスや誕生日のお祝いなどを行うことが可能だ。
同発表会では、同取り組みに賛同する中村江里子さんと東尾理子さんがトークショーを行った。石巻市等で本の読み聞かせなどを通して被災地支援を行う中村江里子さんは、「子供は自分だけではなく地域で育てるものだと思います。子供たちが集って他のお母さんに見てもらって、一緒に温かく育てていければいいなと思いますので、コミュニティは重要です」と話す。また、東尾理子さんは、ゴルフなどを通じてチャリティ活動を行っているが、「大人でさえ人のつながりはすごく大切で心のよりどころにもなりますが、子供のコミュニティの場は互いに成長していくうえで必要です」とコメントした。