2012年8月30日8:00
Facebook上でネットショップを展開できる「SocialGateWay」をアラタナと共同で展開
ユーザーの獲得、運用ノウハウ、コマースまで一気通貫で提供
GMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)では、EC加盟店がFacebook上へネットショップを展開でき、クレジットカード等の決済処理が可能な「SocialGateWay」をアラタナと共同で展開している。現在、Facebookを利用したコマースサービスを提供する多くの企業が費用対効果を確立できていないと言われる中、ユーザーの獲得、運用のノウハウ、コマースの提供まで一気通貫で行うことにより、好評を得ているそうだ。
限定商品販売の訴求方法やテストマーケティングの支援を実施
誕生日にギフトを贈る「BIRTHDAY CLAPPER」の決済を提供
現在、ソーシャルメディアを活用した企業のマーケティングへの取り組みが注目を集めているが、コマースで成果を上げている企業は極めて少ない。GMO-PGでもアラタナと数十社の企業にSocialGateWayのサービスを提供しているが、あくまでもFacebookはユーザー同士がコミュニケーションを図る場であるため、それを活用した独自の施策が求められるという。
「すでに弊社のお客様の中には、Facebookコマースで月商100万円を超えている店舗もありますが、PDCAを繰り返しながら地道に売り上げを伸ばしています。Facebookコマースの展開においては、短期的なCPAを求めるのではなく、あくまでもファンとのコミュニケーションの延長戦でコマースを提供することを勧めています」(GMOペイメントゲートウェイ 営業本部 東京営業部 ビジネスフロンティアチーム 谷中亮氏)
同社では、ページの作成、ネットショップを運営するユーザーの特性に合ったユーザーの獲得、コマースの提供まで一気通貫で提供している。
GMO-PGは、決済代行事業者だが、Facebook広告の代行サービスも行っている。具体的には、Facebookページを運営する企業に対し、Facebookページの「いいね!」数の拡大支援、キャンペーンやソーシャルプラグインがあるページへの誘導支援を実施している。
「現状、国内の場合は1『いいね!』150円程度と言われています。東南アジアなど、海外の場合は、10円前後でファンを集められると言われていましたが、われわれはあまり推奨していません。基本的に投稿した内容に対して反応がある良質なユーザーの確保が必要となります。診断アプリを利用して集めるユーザーはありますが、Facebook広告のほうが実績として上がっています」(谷中氏)
また、「いいね!」数を獲得できているユーザーに対しては、限定商品販売の訴求方法やテストマーケティングの支援などの提案を行っている。具体的な販売施策について谷中氏は、「共通しているのはFacebook限定など、通常のECサイトで展開していない商品を販売すると成功する傾向があります」と話す。
Facebookでは、友達の誕生日が表示されるが、それを決済サービスに結び付ける取り組みも行っている。インターネット広告事業を手がけるセプテーニでは、Facebook上の友人に誕生日プレゼントを贈ることができるFacebookアプリ「BIRTHDAY CLAPPER(バースデークラッパー)」を展開しているが、決済についてはGMO-PGが提供している。
初期費用は無料、決済手数料3.6%で提供
スマートフォンやO2O展開も検討
「弊社ではFacebookのような〝共感“の上にコマースが成り立つと考えており、友達が『いいね!』や薦めているものを可視化することで、コマースにつなげる方針です。Facebookも『WANT』ボタンを用意している噂がありますが、例えば、欲しいリストがページに蓄積され、誕生日にギフトなどのコマースに転換することも考えています」(谷中氏)
なお、同社では、EC加盟店に対し、「PGマルチペイメントサービス」を提供しているが、そのインターフェースをそのままFacebookコマースに適用することで、多様な決済手段と高いセキュリティを実現している。初期費用は無料、決済手数料は3.6%となっており、加盟店がリーズナブルな価格でFacebookコマースを展開しやすい体制を整えている。
今後は、スマートフォンユーザーの特性に合ったサービスも検討していきたいとしている。Facebookのスマートフォンアプリは常にユーザーが増えているため、自然な形でコマースが入れば購入に結び付くと同社では考える。また、オンラインに加え、オフラインとの連携も視野に入れる。例えば、スマートフォンの位置情報を活用したソーシャルコマースとの連携、ネットで購入を行ってからリアルに送客する方法などの研究を進めている。さらに、キュレーションサービスにも注目しているそうだ。
谷中氏は最後に、「年内に100を超える店舗にサービスを導入し、そのうち半分のサイトで成功事例を築いていきたい」と目標を語った。