2012年9月28日8:30
ブランドプリカで利益をあげる
☆☆☆ Nasdaq上場ネットスペンドから学ぶ儲けかた ☆☆☆
Profit from Prepaid Card
日本カードビジネス研究会 代表 佐藤 元則
国際ブランドつきプリペイドカード(ブランドプリカ)は、米国では成長期に突入しようとしているが、日本はまだ黎明期。業界関係者からは、本当にブランドプリカは儲かるのか、という声が聞こえる。
小額決済がメインのプリペイドカードでは、利用者を相当数獲得しなければ採算に乗らないのではないか。手数料無料の電子マネーが普及しているなか、利用者からチャージ手数料や口座維持費用はとれないのではないか。
米国と日本は決済環境がちがう。小切手文化ではない日本で米国の事例は参考にできない、という声もある。だが米国では、クレジットカードが普及しているなかで、デビットカードが普及し、2010年には取扱高でクレジットカードを追抜いた。
ディスカバーカードの調査(Debit Issuer Study 2012)によると、デビットカードを利用している米消費者の割合は76%だった。稼動顧客の年間利用金額は2011年で8,326ドル。月間利用件数は18.3件だ。
米消費者の生活に根ざしたデビットカードは、チャージ手数料や口座維持費用は徴求していない。そんな状況のなかで、ブランドプリカはデビットカードを追抜く成長率で拡大しつづけている。
調査会社のメルカトール(Mercator Advisory Group)によると、2011年のプランドプリカ取扱高は、前年対比24%伸びて1,841億ドル(約15兆円)になった。
米国では日本以上にクレジットカードやデビットカードが普及し、生活に密着している。にもかかわらず、ブランドプリカが伸びているのである。しかも利益を上げ、株式公開しているベンチャーもいる。
米国のブランドプリカは参考にできないと思う前に、まずビジネスモデルを理解し、チャレンジしてみようではないか。