2012年12月10日8:40
TIプランニングでは、O2Oシステムの提供企業、実際に顧客向けにサービスを提供する関連企業数社にヒアリングを行い、「O2O(Online to Offline:オンライン・トゥ・オフライン)」の今後の普及予測を行った。O2Oは、Webサービスからリアル店舗へ携帯電話やスマートフォンなどを利用して誘導する、もしくは両者が融合することにより購買活動などに影響を及ぼすといった意味として用いられている。
現在のO2Oでは、オンラインからリアル店舗への誘導が注目されているが、リアルからオンラインという流れもあると考えるため、「Online→Offline」および「Offline→Online」の予測を行っている。
現状、オンラインからオフラインへの誘導については、飲食、小売、旅行・交通、趣味、クレジットカード、宿泊などにおいて、オンライン上で確認してからリアルに足を運ぶケースが多いと考えられる。
スマートフォンの普及により、今後はオンラインからリアルへの送客がさらに進むと考えられるが、国内ではぐるなび、リクルート、カルチュア・コンビニエンス・クラブ、コロプラ、日本マクドナルドのように、従来の携帯電話により、スマートフォンが普及する以前からユーザーにとって高機能なサービスを提供しているケースも多い。また、電子クーポン自体も古くから展開されており、人々が考えている以上に自然とO2Oの流れができているといえよう。国内では、2011年で約31%がオンラインを活用してオフラインのデータを収集し、コマースチャネルにつなげており、2015年は49%がオンラインを経由してのコマースにつなげていくと予想した。
また、オフラインからオンラインへの送客もO2Oの1つだと弊社では考えているが、現状では通信販売、チケット、家電、音楽などがオフラインから送客してコマースにつなげている分野として挙げられる。しかし、オフラインからオンラインのコマースに結び付けたケースは極めて少ない。今後は、安価なNFCタグの普及などにより、オフラインからオンラインに送客して購買につなげるケースも増えそうだ。
なお、国内外のO2Oの動向に関しては、書籍「O2Oビジネスガイド」で紹介している。