2014年4月28日10:44
世界のB2Cのeコマースの市場規模は2011年度で9,060億ドル(約90兆円)、2012年度には1兆ドル(約100兆円)を超え、2013年度では1兆2,980億ドル(約130兆円)と予想されている。
これまで世界のeコマースを牽引してきたのはアメリカで、2012年は約3,500億ドル(約35兆円)で、2013年度は12%増の約4,000億ドルと予想され、世界マーケットの30%以上のシェアを有している。
また、急速な成長を遂げているのが中国や日本などのアジア・パシフィック市場で、2011年度の27.9%から2013年度の33.4%へと5.5%もシェアを拡大し、2011年にはヨーロッパ市場を2013年には北米市場を超え、2016年にはアジア・パシフィック市場は世界市場の40%のシェアを有すると予想されている。
従来、北米市場を中心にB2Cのeコマースのオンラインペイメントの主役は、オフラインデビットとクレジットカードによる決済が主役を務めてきたが、今日ではPayPalに代表される代替オンライン決済サービスや、リスクが制限されるオンラインプリペイドカードによるオンライン決済や、マネートランスファーなどによるオンライン決済が世界中でそのシェアを高めている。
例えば、ジュネーヴのBank of International Paymentなどの調査による世界主要17カ国の国別のオンラインペイメントパフォーマンスを示したデータでは、インターネット大国でありカード大国であるアメリカは、クレジットカードによるオンライン決済が50%を超え、デビットカードと代替オンライン決済であるPayPalが25%から49%のレンジにある。同じ北米のカナダもクレジットカードによるオンライン決済が50%を超え、PayPalなど代替オンライン決済が25%から49%のレンジにある。
一方、ヨーロッパではイギリス、フランス、スペインがクレジットカードによるオンライン決済が50%を超え、ドイツはバンクトランスファー・ダイレクトデビットが50%を超えている。イタリア、オランダ、スウェーデンの3カ国は、50%を超えているオンライン決済の方法はない。また、オランダをのぞくヨーロッパの国では、PayPalなど代替オンライン決済が25%から49%のレンジにあり、クレジットカードによるオンライン決済に次いでいる。
アジア・パシフィック地域の国では、中国をのぞくオーストラリア、インド、日本、韓国、シンガポールでクレジットカードによるオンライン決済が50%を超えている。中国銀聯カードが広く普及している中国ではデビットカードによるオンライン決済が50%強となっている。
書籍「世界のオンライン決済・不正利用対策市場要覧」では、急成長する世界のeコマースに合わせて増大するオンラインペイメントに関し、世界中のオンラインペイメントプログラムやペイメントサービスプロパーについて紹介している。