2014年5月14日8:00
安心・安全な海外配送を実現
国内ECサイトの海外展開をサポート
転送コム
アジア圏への対応のため、自社で不正検知の対策に取り組む
チャージバックの発生はほとんどない状態に
これにより、大きな一歩を踏み出すことができましたが、「ReD Shield」は欧米発のサービスのため、欧州や北米のブラックリスト、不正集団の検知ルールを得意としていました。転送コムがメインとしているのはアジア圏のため、「ReD Shield」のみでは対応しきれなくなり、自社の不正対策チームを設けブラックリストや検知ルールを策定する方法に切り替えました。
現在は、チャージバックの発生率が2カ月に1件あるかないかに下がっています。海外の不正は、個人ではなく集団で行うことが多いため、不正利用対策を行っていると分かると、狙いを他に変える傾向があります。また、自社のブラックリスト、不正検知ルールの運用で成果を上げていますが、さらに精度を高めるため、すべての利用者に本人確認書類の提出を求めています。パスポート、国民ID、ドライバーズライセンスなどの提出をお願いしており、もし確認できない場合は荷物の発送はしていません。さらなる検知ルールの向上、不正の可能性の高いユーザーの利用抑止を考えて、本人確認書類の提出を求めています。
不正利用のリスクをゼロにする
“代理購入サービス”を展開
それでも不正利用の可能性はゼロではないため、海外ユーザーの代わりに弊社がECサイトの商品を購入するという“代理購入サービス”を展開しています。これは転送コムの“海外転送サービス”に続く2つめの事業です。
代理購入サービスでは、商品情報をAPI経由で取得し、日本語、英語、簡体語、繁体語の商品ページを生成します。海外ユーザーは、ECサイトで会員登録等の手続きを行わずとも、商品を購入することができます。2012年の年末にサービスを立ち上げ、現在はヤフーの「ヤフオク」と協業して、代理購入サイトを運営しています。1年4カ月でノウハウが蓄積できてきたので、今後は提携の拡大を図ってまいります。
海外転送サービスは、ブラックリストを自社で保有し、不正検知の独自ルールを確立しています。代理購入サービスは、ECサイトへの不正のリスクがゼロになるサービスを提供しています。転送コムは、ECサイトが海外展開をすることで更なる成長を遂げる一助となるべく、海外から日本の商品を購入できる安心・安全な環境をつくり、グローバルコマースの底上げを図っていきたいと思っています。
注)本資料に記載されている情報は、3月25日時点でのものです。
※本記事は2014年3月25日に開催された「ペイメントカード・セキュリティフォーラム2014」の転送コム 執行役員浜田 祐介氏の講演をベースに加筆を加え、紹介しています。