2014年5月13日8:00
安心・安全な海外配送を実現
国内ECサイトの海外展開をサポート
転送コム
ネットプライスドットコムグループの転送コムでは、海外のユーザーが国内のECサイトで購入した商品を海外の居住先に転送する“海外転送サービス”と海外ユーザーの代わりに商品を購入する“代理購入サービス”を行っていますが、グローバルコマースを安全に実現するため、クレジットカードの不正利用を未然に検知する不正検知システム「ReD Shield(レッドシールド)」を日本で初めて導入しました。その後も独自で不正検知の対策に取り組むなど、転送コムと提携するECサイトは、より安心して海外のユーザーへ商品を販売することが可能になっています。今回は、拡大する海外配送をサポートする取り組みについてご紹介します。
国内ECサイトの海外展開を手間やコストなしで実現可能に
国内の商品を安全に海外へ転送
ネットプライスドットコムは、現在国内で11社のグループ企業を持ち、「世界とつながる」インターネットの魅力を活かした各種eコマース事業などを展開しており、グローバルコマースビジネスを推し進めています。転送コムもそのうちの1社で、ECサイトの海外展開を手間やコストをかけずに実現を可能にするサービスを展開しています。
ECサイトが独自で海外対応をしようとすると、求められる機能・サービスは多岐にわたります。その1つが海外発送時の物流です。ECサイトで商品を購入した際、国内の場合は物流会社や郵便などで届きますが、海外配送の場合、日本郵便のEMSやUPS、海外物流会社等の仕組みを導入する必要があります。また、国際通関の手続きがあるため、配送商品の中身が何かを申告しなければなりません。さらに、「税関通知書」「INVOICE」の作成が必要となります。
また、倉庫オペレーションは国内配送とは別に設計する必要があります。日本語以外のカスタマーサポートやECサイトの翻訳も重要です。
それに加え、システムの改修も求められます。例えば、住所を全角で入力するECサイトもあるかと思いますが、海外にはそのような概念はありません。また、中国語は日本語よりも複雑な漢字を用いるため、文字化けしてしまうケースもあります。
このように、ECサイトが海外対応をする場合、システム投資、ランニングコストなどを含めると数百万円を超えてしまうこととなりますが、コストをかけず、海外配送サービスを展開できるのが弊社のサービスです。
転送コムの“海外転送サービス”は、ECサイトが、海外配送に対応していない場合でも、海外のユーザーは商品を購入することができます。
利用方法は、まず転送コムに会員登録をしていただきます。すると、転送コムより日本の住所が付与されます。実際には、転送コムの倉庫の住所であり、住所の末尾に会員IDを付与しています。海外のユーザーはその住所を使って商品を購入することができます。
ECサイトは、日本のユーザーに配送するのと同じオペレーションで海外に商品を発送することが可能になるのです。ECサイトが配送した後は、転送コムが重量と居住地を確認し、配送料を算出して商品を発送します。その際、転送コムとECサイト間ではお金のやり取りはなく、転送コムは海外のユーザーから手数料をいただきます。
現在、84の国と地域に配送実績があります。配送は、日本郵便が提供しているEMS(国際スピード郵便)を利用していますが、商品ジャンルやユーザーのご要望によってはその他の運送業者を利用した配送にも対応しています。また、転送コムは日本語、英語、繁体字、簡体字、韓国語の5言語に対応したサイトを展開しており、多言語のカスタマーサポートも70人程の体制を整えています。さらに、倉庫対応も国内に配送する場合と異なり、危険物、爆発物、マネーロンダリングに使われる金券類が入っていないかを確認するため、商品の中身を開封し、チェックした後、「税関通知書」「INVOICE」の作成も行っています。
オプションとして、複数のECサイトで購入した商品を同梱して配送する「おまとめ梱包」サービスも提供しており、お客様の配送料が安くなるため、まとめて購入された方の9割が利用されています。(別途「おまとめ梱包」サービス手数料が発生)
ECサイトとは、転送コムを紹介するバナーを貼っていただく連携を行っています。サイトによっては、国内のお客様のIPアドレスには反応せず、海外から閲覧された時だけ反応するバナーも開発して、提供しています。ECサイトは、転送コムにご連絡いただくだけで、すぐに海外発送対応が可能となります。
早い時期から不正利用対策に取り組む
不正検知システム「ReD Shield」を国内で初めて導入
転送コムでは、このような取り組みを6年間行ってきたことにより、日本から海外に商品を発送する企業としては国内最大です。現在、会員数は27万人。毎月1万人ほど増えています。年間50~60万点の商品が転送コムの倉庫に届いています。
転送コムは海外にいる方をターゲットとしており、日本語以外で登録されている方は80%以上です。利用者は、中国、香港、台湾、シンガポール、オーストラリアの順で、アジア圏が多くなっています。ECサイトが独自に海外対応をすると、対応する地域のみに偏ったランキングになると思いますが、転送コムを利用すれば、どこにいても購入できるため、日本の商品のニーズがある国のランキングをデータベースとして保有しているともいえます。
転送コムでは、海外配送を行うビジネスの特性上、早い時期から不正利用に対抗する手段を講じています。海外のユーザーが不正なクレジットカード情報を入手し、不正利用を行っていた場合、ECサイトはチャージバックが発生して損害を被ります。また、発送した商品が返品されないケースも考えられ、二重の被害となります。不正利用については、ECサイトにご迷惑をお掛けしないこと、また、海外転送サービスやグローバルコマースの成長の妨げになることを避けるため、不正利用防止の対策に関しては特に配慮するようにしています。
以前は、日本国内でECサイト向けの不正検知システムを提供する企業はほとんどありませんでしたが、海外ではさまざまな不正検知ツールがありました。その中に英国のRetail Decisions Limited(ReD社)の提供する不正検知システム「ReD Shield(レッドシールド)」があり、アジア圏の販売代理を行うスクデットから、転送コムは国内で初めて導入しました。ReD Shieldの導入により、これまで手動で行っていた不正利用の検知は、基本的に自動で行われるようになりました。
注)本資料に記載されている情報は、3月25日時点でのものです。
※本記事は2014年3月25日に開催された「ペイメントカード・セキュリティフォーラム2014」の転送コム 執行役員浜田 祐介氏の講演をベースに加筆を加え、紹介しています。