2014年7月14日15:12
電子マネー決済等のクラウドサービス向けサーバ製品の開発・販売、人体通信技術の開発等を手がけるQUADRACは、2014年7月11日付けで、産業革新機構を割当先とした約7億円の第三者割当増資を実施したと発表した。
今回の増資を受け、今後は、同社のサーバ製品「Q-CORE」の拡販に向けたマーケティング活動の強化、次世代人体通信技術「CCCC」の事業化を推進していく方針だ。なお、セイコーソリューションズも同社への出資を決定しており、近々増資を実施する予定となっている。
「Q-CORE」は、QUADRACが開発した、リアルタイム・マス・トランザクション処理に特化したサーバとなる。リアルタイム・マス・トランザクションとは、電子マネーや交通チケットのシンクライアント処理や、オンラインオークションなど、リアルタイムに処理しなければならないトランザクションが大量に集中する状況を指す。「Q-CORE」は秒間千を超えるリアルタイム・マス・トランザクションを遅延することなく処理することが可能だ。トランザクションのピーク時に合わせ大規模な設備を用意する必要がある事業にとっては、設備投資と運用コストの大幅な削減につながるという。
FeliCa認証機能を標準搭載しているため、電子マネーのシンクライアントシステムのサーバとして利用でき、これ以外にも、大手クレジットカードブランドが提唱しているHCE(Host Card Emulation)処理など、リアルタイム処理の必要な他の多くのシステムにおいても、高い費用対効果を発揮できると同社では考える。
「CCCC」は、QUADRACが開発した近距離通信技術でISO/IEC 17982として国際標準規格登録されている。電極が対向することで生じる静電容量を利用しており、CCCCはClose Capacitive Coupling Communication(近接型容量性結合通信)の略語となる。
人体を媒介とした通信が可能であるため、ウェアラブル端末やスマートデバイスに搭載すれば、これらを身に付けたまま、手や足を触れるだけで各種認証手段とデータの授受が可能となる。
現在大手メーカーと共同で半導体の開発を進めており、完成後はスマートフォンやウェアラブル端末等への導入を目指している。