2023年8月18日16:45
南海電気鉄道(南海電鉄)とQUADRACは、2023年7月から南海電鉄の一部の駅において、南海電鉄保有のネットワークを利用した「社内内回り方式」によるタッチ決済を導入したと発表した。
2023年7月に南海本線泉佐野駅の改札機に「PCI-P2PE」に対応した読み取リーダを設置し、社内内回り方式に切り替えた。今年度中に、現在タッチ決済を利用できる改札機すべてを、同方式に切り替える予定だ。また、大阪・関西万博が開催される2025年に向け、同方式を用いて順次利用可能駅を拡大していく。なお、社内内回り方式を活用したタッチ決済の採用は国内初の取り組みだという。
南海電鉄では、「タッチ決済による交通利用」を推進している。クレジットカード1枚で移動から買い物までできるサービスの提供で、インバウンドをはじめとする利用者により便利に快適に乗車してもらえるよう、大阪・関西万博が開催される2025年までに「社内内回り方式」に対応した、タッチ決済が利用できる駅を順次拡大していく予定だ。
これまでのタッチ決済サービスでは、クレジットカード情報を伝送するネットワークは QUADRAC が提供する “モバイル通信(閉域網)方式”を採用してきたが、公衆キャリアの回線を利用するため、外部の通信環境に左右され、決済エラーの発生等の課題があった。今回既存の社内ネットワークを活用することで、これまでの“モバイル通信(閉域網)方式”よりも安定した通信品質が見込まれる。
また、今回の「社内内回り方式」の導入に伴い、一部の駅の読取リーダを、クレジットカードのセキュリティ基準「PCI-P2PE」に対応した新しい読み取りリーダに置き換えた。これにより、クレジットカード番号等の情報は物理的な攻撃から守られ、データ改ざんされることなく安全に暗号化されるそうだ。
このような「PCI-P2PE」による高度な対策は、社内ネットワーク環境下でも、これまで以上にカード情報漏洩や不正アクセスなどのリスクを最小限に抑え、より一層信頼性の高い決済環境を提供するために有効だとしている。
さらに、今後利用できる駅を拡大していくにあたり、読み取りリーダ端末1台あたりに必要となる回線利用料も課題の一つであるため、既存の社内ネットワークの活用により、端末との回線利用料が不要になる。
加えて、南海電鉄では駅遠隔制御システムを採用しており、駅務機器の状態確認や操作をリモートで行うことができる。今回社内ネットワークに切り替えることにより、今後、タッチ決済時の入出場エラー処理を駅遠隔制御システムで行うことの実現を目指す。
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ペイメントナビ編集部
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