2014年7月30日8:45
ヘルスケア決済で日本を健康にする
~Healthcare Payment~
日本カードビジネス研究会 代表 佐藤 元則
日本国民の健康を、カードやモバイル決済システムで増進することができたら、どんなにすばらしいことだろう。
高齢化が急速に進むいっぽうで、肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が若年層までに広がっている日本。一億総中流、飽食の時代が生んだ後遺症だ。
慢性的なデフレというネガティブな経済病にもがき苦しんでいた日本が、アベノミクスで活力を取戻してきたように、心身の傷病を慢性的にわずらっている日本国民の健康を、決済システムで回復増進できないだろうか。
日本国民の健康を全体としてとらえるのではなく、国民ひとりひとりの健康を積みあげることによって国家の健康を実現する。子供も大人も高齢者も、全員が健康づくりに利用できるもの。それは個人単位で保有可能なカードでありモバイルである。
ヘルスケア市場には2つのタイプがある。ひとつは傷病診療や看護という受動的なヘルスケア。もうひとつは健康改善や健康増進という能動的なヘルスケアである。
とかく受動的なヘルスケアに目が向きがちだが、能動的なヘルスケアがこれから注目されるだろう。というのも、スマートフォンやウェアラブルを使った健康アプリが次々に登場しているからだ。AppleはiOS8から健康アプリのヘルスブック(HealthBook)を搭載する。血圧や血糖値、血液検査、心拍数、水分、栄養素、呼吸数、睡眠、体重などの健康関連情報をモバイルで管理できるのだ。ソニーもスマートバンド(SmartBand)でヘルスケア市場に参入した。それだけ、この市場が魅力的ということだろう。
ロンドンオリンピックは、英国民のスポーツと健康意識を高める効果があった。2005年の開催発表後、毎週スポーツする人が140万人増えたという。単にスポーツをする人が増えたのではない。毎週継続的にスポーツをする人が140万人も増えたのだ。であれば、東京オリンピックはチャンスだ。6年後にむけて健康意識が高まっていく。
カードとモバイルで日本の健康を実現しよう。日本のヘルスケアを決済でかえよう。自らの健康を改善しながら、万一傷病にかかったときでも、安心して支払えるインフラを構築しよう。