欧州での「Samsung Pay」など、NFCモバイルペイメントでジェムアルトのTSH採用が加速

2016年1月7日8:38

VisaやMasterCardがクラウド上で機密データを管理する「HCE(Host Card Emulation)型」への対応を発表したリ、Appleの「Apple Pay」、Googleの「Android Pay」、Samsungの「Samsung Pay」が展開されるなど、この2年弱で世界中のモバイルペイメントは大きな動きをみせている。市場の黎明期から「SIM型」「eSE(embedded Secure Element)型」「microSD型」等のNFCモバイルペイメントの展開を支援してきたジェムアルト(Gemalto)は、カード発行会社にモバイル決済サービス開始への支援を行うワンストップの接続サービス「Allynisトラステッド・サービス・ハブ」(以下TSH)」を提供している。

欧州ではTSH経由でのSamsung Payを展開
「SIM型」「eSE型」「microSD型」「HCE型」「TEE型」に対応

ジェムアルトは、国内主要3キャリアをはじめ、世界中のNFCモバイルペイメントを支援してきた。しかし、「この18カ月でHCEとトークナイゼーション、モバイルウォレットの展開などで大きな変化が見られました」と、ジェムアルト Strategic Partnership and Business Development Pascal DI GIROLAMO氏は説明する。Appleの「Apple Pay」、Googleの「Android Pay」、Samsungの「Samsung Pay」では、イニシアティブがテレコムオペレーターなどから移った。また、テレフォンオペレーターのボーダフォン(Vodafone)やオレンジ(Orange)のペイメントシステムでは、UICCのSIMベースソリューションが使われている。そのほか、NFC以外の動きとしては、JPモルガン・チェースの「Chase Pay」、MCXの「カレンシー(CurrentC)」などでは、バーコードベースのモバイルペイメントが採用された。

ジェムアルト Strategic Partnership and Business Development Pascal DI GIROLAMO氏
ジェムアルト Strategic Partnership and Business Development Pascal DI GIROLAMO氏

「たとえば、SamsungのSamsung Payでは、組み込み型の『eSE型』が採用され、米国と韓国の市場ではHCEで展開されています。フランスでは、TSH経由でのSamsung Payの展開が発表されており、サービスはローンチされていませんが、準備している段階です」(Pascal DI GIROLAMO氏)

欧州では、数多くのHCEのパイロットプロジェクトが展開されている。その多くがイシュアベースだが、プロセッサーが展開するケースもある。

ジェムアルトのTSHでは、カード発行会社に対し、会員のユーザー登録やサービス導入を支援しており、さまざまな方式をカバーする。「SIM型」「eSE型」「microSD型」「HCE型」に加え、スマートフォン本体に搭載されているCPUのセキュリティ領域を利用する「TEE(Trusted Execution Environment)型」にも対応可能だ。

カード発行会社が柔軟性を得られるように設計
トークナイゼーションやHCEでもセキュリティを最大限に意識

カード発行会社はTSHの採用により、サービスの導入がスムーズになり、新規のIT投資を抑えることができるという。また、複数の方式を組み合わせることが可能である。TSHにより、カード発行会社が将来のロードマップにおいて、より柔軟性を得られるようにしており、たとえば、フランスで展開されるSamsung Payにおいて、BNPパリバではUICCのウォレットをオプションで使用する予定だ。

「モバイルのマーケットは、さまざまな技術が台頭していますので、そういったすべてに対応できるようにしています。現状、THSのようなコンセプトはほとんどありません」(Pascal DI GIROLAMO氏)

一部では、SIM型に比べトークナイゼーションとHCEではセキュリティの懸念を挙げる声もある。ジェムアルトでは、かねてからセキュアなシステムを構築しており、TSHにおいてもセキュリティを最大限に意識してトークナイゼーションとHCEへの対応を進めてきたという。

日本では大日本印刷と提携
ノルウェー、台湾など世界中でプロジェクトが進行

なお、日本国内では、最大手の印刷会社である大日本印刷(DNP)と提携。ジェムアルトのTSHによって、DNPの顧客企業は、さまざまなNFCの実装方式に対応でき、柔軟性を兼ね備えたソリューションの採用が可能になるそうだ。DNPでは、NFC搭載スマートフォン等にモバイル決済サービスの機能をネットワーク経由で追加するクラウドサービス「DNPスマートデバイス向けクラウドペイメントサービス」を、2016年春に開始する予定となっている。

現在、ジェムアルトのTSHは、欧州のSamsung Payに加え、ノルウェーのモバイルNFC決済サービス「Valyou」、Taiwan Mobile Payment Co.(TWMP)のNFC決済サービスなど、世界中で採用が加速している。スペインでもHCEでの採用があるそうだ。採用目標は非公表だが、現在、さまざまなプロジェクトが進行しているという。

関連記事

ペイメントニュース最新情報

ポータブル決済端末、オールインワン決済端末、スマート決済端末、新しい決済端末3製品をリリースしました(飛天ジャパン)

国内最大級のクレジットカード情報データベース(アイティーナビ)

「お金の流れを、もっと円(まる)く」決済ゲートウェイ事業のパイオニアとして、強固なシステムでキャッシュレス決済を次のステップへと推進します。(ネットスターズ)

国内最大級の導入実績を誇る決済代行事業者(GMOペイメントゲートウェイ)

決済シーンにdelight(ワクワク感)を!PCI P2PE 認定国内実績 No.1の「確かな信頼」を提供します(ルミーズ)
電子マネー、クレジット、QR・バーコード、共通ポイントなど、多数のキャッシュレス決済サービスをワンストップで提供(トランザクション・メディア・ネットワークス)
決済領域を起点に多様なビジネスニーズに応える各種ソリューションを提供(インフキュリオン)
ReD ShieldやSift等の不正検知サービスを提供し、お客様の不正対策を支援(スクデット)
BtoCもBtoBも。クレジットカード決済を導入するならSBIグループのゼウスへ。豊富な実績と高セキュリティなシステムで貴社をサポートいたします。(ゼウス)
TOPPANの決済ソリューションをご紹介(TOPPANデジタル)
多様な業界のニーズに対応した、さまざまなキャッシュレス・決済関連サービスを提供する総合決済プロバイダー(DGフィナンシャルテクノロジー)
決済業務の完全自動化を実現する「Appian」とクレジット基幹プラットフォームを合わせてご紹介!(エクサ)
チャージバック保証、不正検知・認証システムなどクレジットカード不正対策ソリューションを提供(アクル)

非対面業界唯一!!カード会社とダイレクト接続により、安心・安全・スピーディーで質の高い決済インフラサービスを提供。Eコマースの健全な発展に貢献する決済代行事業者(ソニーペイメントサービス)

stera terminalでお店のポイントがつけられる「VALUE GATE」(トリニティ)

Spayd スマートフォン、タブレットがクレジット決済端末に!(ネットムーブ)

DNPキャッシュレス 決済プラットフォームをご紹介(大日本印刷)

PAGE TOP