2016年1月12日9:00
後払いはかご落ちを防ぎ、売り上げを高める有効な手段
未回収リスク保証型後払いサービスの草分け的企業であり、№1のシェアを誇るネットプロテクションズ。近年では、同様のサービスを提供する企業は増えたが、7~8割のシェアを獲得しているということだ(ネットプロテクションズ試算)。同社が提供する「NP後払い」(エヌピーアトバライ)は、コンビニエンスストア、銀行、郵便局での後払いを一括提供でき、消費者は商品到着後の支払いとなるため、企業は安心してサービスを導入可能だ。
1万6,000社、約2万3,000店舗で採用
取扱高も前年比30%増で伸びる
国内のEC市場は成長を続けており、BtoCのマーケットは2015年で約15兆円、2021年に25兆円程度の規模になると言われているが、家電やブランド品など、同社が対象外の市場を除くとその半数程度の規模がターゲットとなるそうだ。その中で、未回収リスク保証型の後払い決済だけをみると、10~15%のシェアがあり、EC決済全体に占める決済シェアも年々高まっている。
「弊社の調査によると、後払いを利用したことがある人は8.5%ですが、最も利用したい決済手段であると回答した人は13.5%であり、使えるシーンがあれば後払いを利用されたいと考えるお客様も増えています。弊社では15年前からサービスを提供しており、1万6,000社、約2万3,000店舗で採用され、7~8割のシェアを獲得しています。また、近年は採用企業も増加しており、取扱高も前年比30%増で伸びています」(ネットプロテクションズ セールスグループ ゼネラルマネージャー 秋山瞬氏)
企業がネットプロテクションズのサービスを採用する理由の1つとして、まずは豊富な導入実績が挙げられる。国内最大手企業であり、年間流通額1,000億円強を誇り、累計6,000万人が使用している実績は他社にはない強みとなる。
また、後払いでは、与信のノウハウが重要となるが、「導入企業が多いためノウハウも豊富で、与信精度の高さ、安定性は強みとなり、未払い率も低く抑えられています」と秋山氏は自信を見せる。未払い率は各社公表していないが、パートナーとの意見交換などから、精度の高さは感じ取れる。
現在は二段階で与信を実施しており、90%の取引では与信判定を自動で行い、5分ほどで返答している。残りの取引については、最大2時間以内にはオーソリの結果を返答しているという。一部企業ではリアルタイム与信を行っているところもあるが、不正な取引の抑制、導入企業の機会損失を防ぐ目的で、現在は実施していない。
さらに、ショッピングカートやシステムベンダーといった連携パートナーは100社近くあり、後払い提供企業の中で最も多い点も導入が進む要因であるとしている。
初めて決済するショップでは10%利用率がアップ
利用者向けポイントプログラムも好評
導入企業は順調に増えているが、中でも通販企業が中心だ。特に定期購入商品は後払いと相性がいいと感じている。具体的な利用者の特徴として、新規の顧客には使われやすい傾向がある。特に、初めて利用するショップでは利用率が約10%高まることもある。
また、年齢層は幅広いが、ボリュームゾーンとしては30代、40代の女性、もしくはシニア層の利用率が高い。秋山氏は、「お客様は希望する決済がない場合は7割が離脱してしまいますので、後払いで誘導できれば売り上げアップにつながります」と話し、笑顔を見せる。
ネットプロテクションズでは、「NP後払い」利用者向けポイントプログラム「フフルルポイント」を提供している。現在、75万人の会員を有しており、同社取引の15~20%を占めているそうだ。フフルルサイトのPV数も伸びており、100万人突破もみえてきた。フフルルポイントの利用者はリピート率が高く、複数の店舗で商品を購入している人も目立つ。また、ヘビーユーザーも多いため、会員数が増えれば、継続利用者が伸びると期待している。
新たな取り組みとして、会員登録した利用者が少ないクリックで支払いまで結びつけられるような仕組みも検討している。
なお、ネットプロテクションズでは、不正利用の抑止に力を入れているが、後払いの場合、クレジットカードのように事前に登録したデータとは異なり、個人を特定せずに与信を行わなければならないため、手口としては必ずしも一致しない場合もある。そのため、独自の与信ノウハウが求められるが、その対策にも力を入れている。
未払い率が多い加盟店については、運用是正を実施。基本的に入金確認や回収業務はネットプロテクションが行っているが、利用者へのアプローチを変更したり、購入の上限金額をコントロールするなどして対応している。
「FREX B2B 後払い決済」は前年比180%の成長
訪問サービス向け後払い決済サービス「NP後払い air」も開始
2011年からは、BtoB取引で掛売りを行う決済サービス「FREX B2B後払い決済」(フレックス ビー・トゥー・ビー)を提供している(旧名称・NP企業間決済)。NP後払いで得たノウハウを生かし、ネットプロテクションズが企業間取引における売り手と買い手との間に入り、販売時の与信から請求書の発行、代金の回収、未回収のリスクまでを請け負う。
ネットプロテクションズ マーケティンググループ 中原雄一氏は、「FREX B2B 後払い決済は、前年から180%の成長をしています」と話す。買い手側の企業が利用前に企業登録をして利用する決済サービスに比べ、買い手企業の使いやすさが違うため、「導入企業様には満足をしていただけており、一度使っていただければ継続してご利用いただけます」と同氏は続ける。
また、引越や家事代行といった訪問型のサービス事業者に対して、「NP後払い air」(エヌピーアトバライ エアー)も提供を開始。NP後払いairも請求書の発行から督促までを一括でアウトソースできるため、集金業務にかかる負荷・負担の解消につながっている。
今期は流通額1,000億円を超える
今後も前年比20~30%の成長を目指す
ネットプロテクションズでは、今後もNP後払いの成長は続くとみておりデジタルコンテンツなどへの対応、フフルルポイントの会員獲得をさらに強化することにより、導入を加速させたいとしている。さらに、FREX B2B後払い決済およびNP後払いairのさらなる浸透を図る方針だ。
秋山氏は、「今期は流通額1,000億円を超えており、同様に20~30%の成長を続けていきたいです、」と意気込みを語った。