2016年6月23日9:03
リアルタイムで不正を検知して防止するソリューションを世界中で展開
日本でも不正検知システムとして複数の会社が採用する米国・ACI Worldwideの「ACI ReD Shield」。国内でもカードを提示しない非対面におけるCNP(Card Not Present)の不正使用が拡大する中、採用企業が増加する同サービスのグローバルの状況について、ACI Worldwideに話を聞いた。
チャージバックのリスクを低減させ、収益につなげる
不正のリスクを3つの指標で即座に返答
1975年設立のACI Worldwide は、世界中の金融機関にソリューションを提供するソフトウェア企業だ。同社では、2014年に「ReD Shield」、「Neural Networks – PRISM」、「Red Fraud Exchange」等の不正検知ソリューションを提供するイギリスのRetail Decisions(ReD)を買収した。これにより、決済リスクマネージメント市場で確固たる地位を確立している。
国内でも採用が加速している「ACI ReD Shield」は、非対面取引等におけるカード加盟店と決済処理事業者を対象にした不正検知ソリューションとなり、リアルタイムで不正の可能性が高い取引を即時に判別することが可能だ。カード加盟店は、不正による損失を最小化させ、チャージバックのリスクを減らすことで売上収益を最大化させることができるという。また、商品を購入する消費者に対しては、特に負担をかけることなく、決済時の安全性を強化することができる。
「ACI ReD Shield」は、リスクの度合いによって、「アセプト(ACCEPT)」=正常な取引、「チャレンジ(CHALLENGE)」=要注意、「デナイ(DENY)」=問題あり、の3つの指標で即座に返答可能だ。ACI Worldwide(EMEA)Ltd.チャネル・パートナー・マネージャー Matt Rubin氏は、「不正検知ソリューションのリーディングプロダクトであり、世界30の航空会社が活用しています」と説明する。航空会社としては、チャイナエアライン、シンガポール航空などが利用している。また、米国の27%の決済処理に絡んでおり、大手企業に加え、中小企業でも採用は加速しているそうだ。
さまざまな要素から不正リスクを未然に検知
航空会社など、不正検知のリスクを共有
不正については、クレジットカード等の番号、メールアドレス、住所、IPアドレス、電話番号などの要素から求められる。また、リスクアナリストによってマネージドサービスとして提供され、各国の決済環境に合わせ、独自のチューニングも行われる。さらに、世界中の企業が採用する強みを生かし、業種・業態によって不正検知の横連携も可能な限り行われ、例えば、Aという航空会社で被害が発生した際、Bの航空会社による被害を即座に抑えることが可能となっている。
ルールのアップデートも毎週実施
日本でも採用が増加?
不正検知ソリューションを提供するグローバル企業は複数あるが、「他社はルールの設定が限られていますが、弊社は制限がありませんので、特に大手企業には喜ばれています。また、細かい部分まで検知できる点が弊社の特徴です」とRubin氏は話す。さらに、ルールのアップデートも毎週行われており、日々、手口を変えて行われる不正のアタックを検知する体制を整えている。
なお、日本では、スクデットが「ACI ReD Shield」の販売代理店となっており、不正対策ソリューションの開発・導入から運用・保守サービスまで行っている。また、決済処理事業者のGMOペイメントゲートウェイからも同社の加盟店に対して提供されている。
2014年7月にはRedがACI Worldwideに買収されたが、そのメリットは大きいという。ACI Worldwideは、世界トップ20の銀行のうち17が利用しているため、サービスをより訴求しやすくなったそうだ。
※取材は2016年5月31日、6月1日にドバイで開催された「Cards & Payments Middle East」で実施。