2017年6月21日11:43
GMOインターネット、GMOグローバルサイン、セゾン情報システムズの3社は、パルコと共同で、ブロックチェーンとIoT技術を活用した実証実験の第二弾として、「本人のみ受け取り可能な宅配ボックス」とパルコのWEB通販サイト「カエルパルコ」を連携する実証実験を、2017年5月30日~6月9日に行ったと発表した。
2016年12月に第一弾で実証した「本人のみ受け取り可能な宅配ボックス」では、 GMOインターネットが提供するPaaS型のブロックチェーンプラットフォーム「Z.comCloud ブロックチェーン」を基盤に、 スマートコントラクトを実装し、IoTデバイスである宅配ボックスには、 セゾン情報システムズが提供するシステム連携を実現するミドルウェア「HULFT(ハルフト) IoT」を導入している。このシステムでは、 配送業者が宅配ボックスに荷物を納入することで、ブロックチェーン上に納入記録および施錠要求が行われる。荷物を受け取る利用者は、個人に紐づくスマートフォンを通じてブロックチェーン上に解錠を要求することで、 宅配ボックスが解錠し、荷物の受領が記録される。第二弾となる今回の実験では、同システムが実ビジネスで広く安全に利用できることを検証したそうだ。
同実験では、利用者のメールアドレスといった個人と紐付く情報と、個人のスマートフォンに割り振られるユニークな鍵情報を紐付けて利用者登録・本人認証を行うことで、なりすましによる商品受け取りを防止した。
また、宅配ボックス内に赤外線センサーを設置することで、荷物のセンシングによるトレーサビリティが可能になった。配送業者の荷物の納入確認ができるほか、荷物がない状態での利用者本人の受け取り操作を取引完了の条件とすることで、荷物の確実な受け渡しを実現したそうだ。
さらに、宅配ボックスを仲介役に、荷物の受け取りを条件として自動的に取引を実行するスマートコントラクトを活用することで、第三者不要の当事者間のみの取引を実現し、取引の安全性と汎用性を担保している。
さらに、宅配ボックスに搭載されている「HULFT IoT」で利用者情報を連携することで、セキュアなデータ連携が可能になり、課金・決済等のサービスと連携したビジネスも可能になったそうだ。
今回の実証実験の結果、ブロックチェーンとIoTを活用した「本人のみ受け取り可能な宅配ボックス」は、 実ビジネスにおいて十分活用できるものであることを確認できたとしている。今秋(9月頃予定)には、次の段階として、池袋近辺の施設に宅配ボックスを設置し、その施設の利用者や就業者が「カエルパルコ」経由で池袋パルコのショップから購入した商品を、 近辺の施設内で受け取る実験を計画している。