2017年11月9日8:00
クレディセゾン、ベリトランスと協力してサービスを開発
弁護士ドットコムは、2017年11月8日、「契約」と「決済」を一元化するクラウドサービス「クラウドサインペイメント」の披露会見を東京都渋谷区の「Open Network Space DAIKANYAMA」で行った。
取引先の未回収が実質ゼロに
請求者は請求書作成から督促までの業務を簡素化
弁護士ドットコムのWEB完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」は、現在、1万社以上の企業が利用している。同社では、2017年10月30日にカード会社のクレディセゾン、決済処理事業者のベリトランスの協力を得て、クラウドサービス「クラウドサインペイメント」をリリースした。
サービスの披露会見では、弁護士ドットコム ゼネラルマネージャー クラウドサイン事業部 部長 橘 大地氏が同サービスの特徴について説明した。
請求者は、クラウドサインに契約書をアップロードし、用意されている決済タグに決済情報を入力後、契約締結することで、契約締結と決済を同時に実行できる。クレジットカード決済完了後は、カード会社から立替払いがされるため、取引先の未回収が実質なくなるという。請求者は、請求書作成、印刷、送付、入金確認、督促などの業務が不要になるとともに、契約書類を一括管理できる。
また、入金のスピード化が可能で、月3回締め、5営業日後入金が可能だ。さらに、取引先の与信リスクを軽減。導入費用は無料だが、クラウドサインへの登録が必要だ。目安として、申し込み後、2週間程で利用可能となる。
対応カードは、セゾンカードおよびUCカードまたは、VisaとMastercardブランドのクレジットカードとなる。手数料率は、法人向け決済がセゾンカードで2.0%、それ以外のクレジットカードは2.45%、個人向け決済がセゾンカードで2.7%、それ以外のカードは3.15%となっている。
月額課金全般での利用を想定
固定費用に加えて、従量課金などの変動金額も対応へ
利用シーンとして、toCの資格試験の申し込みや不動産賃貸の仲介手数料の申し込み、toBの売買契約やFC加盟店契約など、月額課金全般を想定している。契約と同時に1回払いで取引が完了するが、今後は月額決済にも対応。「固定費用に加えて、従量課金などの変動金額も対応します」と、橘氏は話す。
「将来構想として、月額支払いでの使えるように開発していますので、たとえば不動産の家賃の支払いや駐車場の支払いなどもサブスクリプションで走っており未回収も増えてきています。契約自体をクラウドサインペイメントで結んで、決済を行うような循環が生まれれば、メリットがあると思います」(ベリトランス 決済事業部 加盟店営業部 部長 佐藤 剛史氏)
今回のサービスは、クレディセゾンとベリトランスの協力を得て開発された。クレディセゾンでは、クレジットカード加盟店に事業資金を提供する「加盟店ビジネスファンディング」において、すでにクラウドサインを利用している。今回のサービス開発にあたり、「クラウドサイン上で、導入費用がなく決済につなげられるサービスは類を見なかったので、社内の理解はありました」とクレディセゾン カード事業部 営業企画部 商品・サービス開発グループ 部長 三坂 直樹氏は話す。
また、クラウドサインペイメントとの提案とあわせ、スタートアップに対して、法人カードの営業につなげていきたいとした。さらに、新しい融資の形として注目されている「トランザクションレンディング」の領域まで広げていけば、さらに面白いビジネスに発展すると期待した。
クレディセゾンでは、toC向けのマーケットが飽和状態の中、toB向けのサービスを強化しているが、全国にある10の営業所でクラウドサインペイメントの営業を行っていく方針だ。
取り扱い流通高30兆円を目指す
ブロックチェーン技術の活用も視野に
現在、920兆円の法人決済市場のうち、カード決済が占める割合は0.3%にとどまる。まずは、米国水準の3.4%まで引き上げ、取り扱い流通高30兆円を目指したいとした。
また、今後は、「クラウドサイン」や「クラウドサインペイメント」を発展させる形で、ブロックチェーン技術を用いて、所有権移転などの契約の自動執行を可能とし、従来の書面による実務を進める技術「スマートコントラクト・システム」の開発を検討している。