2018年10月1日8:00
パイプドHDグループのシモキタコインおよびアイラブは、2018年9月27日から、世田谷区下北沢エリアで利用可能な電子地域通貨「シモキタコイン」を発行開始した。同日には、報道関係者様向けの体験会が開催された。
「I LOVE 下北沢アプリ」でコインをチャージ可能
下北沢でのコインの域内循環を目指す
シモキタコインは、下北沢の店舗やイベントで利用できる前払式の支払い手段(プリペイド方式)だ。利用者は、アイラブが提供するスマートフォンアプリ「I LOVE 下北沢アプリ」からコインをチャージでき、飲食や買い物の支払いが可能だ。また、コインのチャージや決済をすると、加盟店共通で使えるポイントが貯まり、1コイン=1円、1ポイント=1円として利用できる。
同日には、下北沢の5店舗で運用が開始されたが、10月5日から下北沢で開催する「下北沢カレーフェスティバル」の開始時には30店舗まで増える予定だ。アイラブ 代表取締役社長 西山友則氏によると、「下北沢カレーフェスティバル」や「はしご酒イベントばるばる下北沢」などのイベントをはじめ、店舗とのつながりを構築できており、シモキタコインにより、繰り返し下北沢で決済が行われれば、さらに街が活性化できると期待している。今後は、決済に加え、アプリでの予約やピックアップサービスなどを加えていきたいとした。
「下北沢カレーフェスティバル」での認知向上に期待
加盟店は未使用コインで他の加盟店からの仕入れも可能に
今回、シモキタコインを導入したart ReG cafe’では、新たな取り組みは興味深かったそうだ。同店舗では、下北沢カレーフェスティバルにも毎年参加しているが、「フェスティバルの期間中は、2倍、3倍のお客様が来るため、認知も進むと考えています。下北沢で遊んでいる方、仕事をされている方々がコインの使えるお店に行くという循環ができればいいですね」と、同店舗の落合貴史氏は説明する。
加盟店にとっては、QRコードが付いたPOPを設置するだけで導入できるため、初期費用を抑えられる(決済手数料3.5%)。また、加盟店は、1万コイン・ポイント貯まると現金への交換が可能だが、昭和信用金庫の口座であれば振込手数料は無料となる。また、利用者から支払われた使用済みコインの精算時に、金融機関口座への振込に代えて同額の未使用コインを購入でき、その未使用コインで他の加盟店からの仕入れなどの支払いができてポイントも貯まるのが特徴だ。
「シモキタコイン」は加盟店から出資を募る予定
下北沢に来たらコインが便利で楽しいという状況を目指す
今後、「シモキタコイン」を発行・運営するシモキタコインは、加盟店からの出資を募る予定だという。これにより、加盟店がシモキタコインの株主としての立場から、会社経営にも主体的に関与できる枠組とすることで、シモキタコインの流通促進と地域活性化を目指す。
シモキタコインおよびエルコイン 代表取締役社長 鎌形渉氏は、「まずは年内150店舗の加盟を目指します。『下北沢カレーフェスティバル』はもちろん、その期間以外にも継続的に、何度も来ていただくことで、下北沢に来たらコインが便利で楽しいという状況を作っていきたいですね」と意気込みを語った。