2018年12月19日6:30
中国・上海の上海訊聯数据服務有限公司(Shanghai CardInfoLink Data Service Co., Ltd、以下:CardInfoLink)は、中国国内および国外において、QR決済のプロセッシングサービスを展開している。日本でも注目が高まる同社のサービスについて、「Singapore FinTech Festival2018」において、上海訊聯数据服務有限公司(CardInfoLink)海外事業部 ゼネラル・マネージャーPaul Yu(于方浦)氏に話を聞いた。
AlipayとWeChat Payの両決済を提供可能
主要なQR決済を先行してインテグレートした実績
CardInfoLinkは、2010年に設立したペイメントプロセッサーだ。現在、中国・上海に加え、シンガポール、香港、日本、タイなどでビジネスを展開している。カード決済では、Visa、Mastercard、銀聯といった国際カードブランドからの認証を取得しており、スイッチング業において高い評価を受けている。また、中国のQR決済において2大ブランドとなる、Alipay(支付宝)と「WeChat pay(微信支付)」の両決済を提供可能だ。さらに、台湾の「JKOPAY(街口支付)」、シンガポールの「Grab Pay」などとも連携している。
群雄割拠のQR決済市場だが、CardInfoLinkがビジネスを展開する上での強みは2つあるそうだ。Paul Yu氏は、「1つは、主要なQR決済をインテグレートしたはじめての会社であることです。また、大手にはハイクオリティなサービスを、中小にはアプリといったように、QRコードを使って、会社の規模に応じて異なるサービスを柔軟に提供できます」と説明する。
CardInfoLinkには、銀行で10年、15年の経験があるスタッフが所属しており、マーケットの要求に応じて迅速に対応できる強みもあるという。また、ソリューションが安定しているため、大手企業ともビジネスを展開しやすいそうだ。
日本ではTISやNTTデータなどを支援
QR決済のスペシャリストとしてネットワークをさらに拡大へ
日本では、リテール決済ソリューションのトータルブランド「PAYCIERGE(ペイシェルジュ)」などを展開するTISが出資したことで注目を集めた。すでにTISでは、複数のQRコード決済サービスを日本の流通・小売店舗やアクワイアラ(加盟店契約会社)に提供すると発表している。
それに加え、「Origami Pay」を提供するOrigami、大手SIerであるNTTデータ等もAlipayやWeChat Payを提供するパートナーであるそうだ。Origamiに関しては、まずは国内の展開を支援するが、将来的には他国で使えるように協力していきたいとしている。また、セブン-イレブンも同社のソリューションを使っているという。なお、日本では、東京・日本橋に拠点を設けている。
今後は、グローバルでのネットワークをさらに拡大させる方針だ。また、数多くのウォレットをサポートしていく方針だ。Paul Yu氏は、「われわれは、QRコードに関してはスペシャリストだといえます。中国でQRコードを使った、早くて便利なソリューションを広げることはもちろんですが、日本にも広めることがミッションです」と意気込みを見せた。
※取材は「Singapore Fintech Festival2018」の上海訊聯数据服務有限公司ブースにて。