2018年3月5日0:12
■提供:ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社
ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ(株)では、決済端末にFeliCa機能を低コストで付加できるリーダー/ライターモジュールを開発、提供を開始した。ラインアップは内蔵型の「RC-S282L」と、外付け型の「RC-SB00」の2種。昨今、海外製の安価な決済端末の導入が進んでいるが、国内でニーズの高いFeliCaに対応していない機種も多い。小型のRC-S282Lは、端末本体に改造を加えずに、バッテリーパックの装着スペースに埋め込めるなど、コスト以外にも導入のしやすさが訴求されている。RC-SB00に関しては、リッチクライアント方式の利点を生かして、狭域内のセミ・シンクライアント環境下で利用する方法なども提案する。
決済端末にFeliCa機能を低コストで付加
北海道や京都のタクシー会社で利用開始
キャッシュレス化が進行する中、磁気および接触・非接触EMVのクレジットカードに対応する、比較的安価な海外製決済端末の導入が日本で進んでいる。しかしこれらの中にはFeliCaの電子マネーに対応していない機種もある。
日本国内では交通系ICや「楽天Edy」、「nanaco」、「WAON」など、FeliCaを使った電子マネーが広く普及しており、流通業、サービス業にとって、これらの対応は急務だ。店舗カウンター上のスペース制約等もあり、1台の端末で、クレジットカードと電子マネーの双方に対応したいというニーズは高い。
FeliCaの生みの親であるソニーでは、こういったニーズに応えて、FeliCa機能の付加に特化したリーダーライターモジュールを開発、提供を開始した。
FeliCa事業部 事業開発部 1Gp 係長 熊坂淳史氏は、「FeliCa対応決済にはコントロール基板とアンテナのセットが必要ですが、このモジュールは、共用可能なアンテナを持った非FeliCa端末を、FeliCa対応端末に変える、という発想で開発しました」と説明する。(図①)アプリケーションフォーマットのFeliCaポケットにも対応しており、FeliCa決済に加え、ポイントやクーポン、会員証などの運用も可能だ。
ラインアップは、内蔵型のRC-S282Lと、外付け型のRC-SB00の2種。(図②)
RC-S282Lは、例えば端末のバッテリーパックの装着スペースに組み込むことができれば、決済端末本体に手を加えることなくFeliCa機能を追加することが可能となる。短期間・低コストでFeliCa機能を搭載することができ、「世界に向けて出荷している端末メーカーの製品の場合、グローバル展開のボリュームの強みを生かしながら、日本向け製品にのみ、このモジュールを内蔵することもできます」と、FeliCa事業部 営業部 営業2課 髙橋純一氏は特長を述べる。RC-S282Lは、すでにタクシー向けのハン
ディ端末として稼働している。(図③)
「このモジュールはリッチクライアント方式ですので、タクシーのような電波状況が変化してしまう状況においてもストレスなく決済が行えます」(髙橋氏)
2019年1月から出荷
狭域内のセミ・シンクラ環境での運用も可能
外付け型のRC-SB00は、2019年1月から出荷を開始している。決済端末が独特な形状でRC-S282Lを組み込むのが難しい場合、有線あるいは無線(別途機器が必要)で決済端末に接続して対応する。
同社では、グループ会社であるソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社が発売しているNFCアンテナを内蔵したコミュニケーションロボットXperia Hello!にRC-SB00を外付けし、FeliCa機能を付加した無人決済端末を提案。日本語・英語・中国語で操作方法を説明し、簡単、快適に決済が完了するよう導く。もちろん、技術的にはNFC機能を持った他社製のロボットに、RC-SB00を組み合わせて、新しいソリューションをつくることも可能だ。
また、RC-SB00は、アンテナと1対1で設置する方法だけでなく、複数台のアンテナに1台で対応する方法が可能だ。例えば、レストランのテーブルごとにXperia Hello!決済端末を置き、1台のRC-SB00をバックヤードに設置して、複数の決済処理を行うケースも想定できる。レストラン内という限られたネットワーク内でFeliCa処理が行われるため、シンクライアント方式とリッチクライアント方式の、いわば中間のセミ・シンクライアント方式の位置付けだ。
「大きなサーバーを設置して加盟店全店に導入するのではなく、特定の店舗で、電子マネーサービスを始めたいという声が聞こえています。そのような場合に、セミ・シンクライアント方式は、コストを抑えつつ、外部のネットワークに障害があったときなどにも安定的に運用できる良い方法だと考えています」(熊坂氏)。このような使い方によって、電子マネー決済の場が増えていくことを同社は期待している。
■お問い合わせ先
ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社
FeliCa 事業部
URL:sony.co.jp/felica/