世界初、FeliCaと接触・非接触EMVの機能を1枚のチップに集約 その時々で支払い方法を使い分けられる利便性の高いカードを実現

2019年3月5日0:11

提供:ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社

ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ(株)は、FeliCa、接触EMVおよび非接触EMVの機能を1枚のチップに集約した多機能チップを開発。このチップを搭載した世界初のデビットカード「SMBCデビット」を三井住友銀行が2017年7月より発行。また、世界初のクレジットカードとして「イオンカードセレクト」がイオン銀行から2018年11月より発行されている。お客様が1枚のカードで、FeliCa対応決済やクレジット決済など、時と場合によって支払い方法を使い分けられるようになり、利便性が大きく向上。多機能チップは、現在、JCB、Mastercard、Visaのカードに搭載が可能だ。今後、カード事業者、電子マネー事業者、カードメーカーを通じて、この多機能チップの普及を図り、日本のキャッシュレス決済拡大に貢献をしていきたい考えだ。

世界初の多機能チップはFeliCaと接触・非接触EMV機能の共存を実現

2017年7月にリニューアルされた「SMBCデビット」、および2018年11月から発行されている「イオンカードセレクト」に、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ が開発した多機能チップが搭載されている。これらのカードは、多機能チップの機能を用いることでFeliCa決済の「iD」「WAON」や非接触EMVである「Visaのタッチ決済」の2種類の非接触IC決済サービスを1枚のカードで行えるようになっている。現在、この仕様を実現する多機能チップを提供できるのは、同社だけである。

ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社
FeliCa 事業部 事業開発部 3Gp 統括課長 柴本悟郎氏

同社がこの開発に着手したのは2014年。非接触EMV決済はイギリスやオーストラリアなど海外で先行して普及が進んでいた。また、日本では2020年に向け、EMV仕様に準拠したクレジットカード、特に非接触EMV仕様に準拠したカードを持つ海外からのインバウンド旅行客の増加が見込まれ、将来的に国内の非接触EMV決済環境が整備されると予想した。

一方、国内ではFeliCaがデファクトスタンダードになっているので、FeliCaと非接触EMVの共存は将来必ず必要になるという想定のもと、1枚のカードでFeliCaと非接触EMV両方が使えるソリューションを開発することになった。

FeliCa事業部 事業開発部 3Gp 統括課長 柴本悟郎氏は、「現在、キャッシュレス決済サービスがいろいろ存在していますが、キャッシュレス決済サービス間で競い合うのではなく、お互い協力しながら日本のキャッシュレス化比率を上げていくことが必要です。時と場合によって支払い方法を使い分けられる、お客様にとって利便性の高いサービスを提供するという視点に立ち、多機能チップを開発するに至りました」と振り返る。

三井住友銀行の「SMBC デビット」。電子マネー「iD」と「Visa のタッチ決済」を国内で初めて同時に搭載(券面は2019 年2 月時点)
「イオンカードセレクト」はイオン銀行キャッシュカード、電子マネー「WAON」に加え、「Visa のタッチ決済」を搭載

JCB、Mastercard、Visaに対応済み
海外も含め、今後はより連携を拡大

多機能チップのEMV決済に関しては、現状、JCB、Mastercard、Visaの三つの国際ブランドに対応済み。カード発行者の希望によって、このいずれかの国際ブランドを搭載したカードを発行することができる。カードについては、この三つの国際ブランドに対応することで、日本国内のかなりの需要をカバーできると考えているが、他の国際ブランドへの対応についても今後、検討を重ねていく。

多機能IC チップの概念図

電子マネー決済についても、各カード会社が連携している電子マネーを多機能チップに乗せ、決済を拡大していきたいと考えている。

多機能チップを搭載したカードは、EMV認定を取得したカードメーカーによって製造・発行され、カード発行者からお客様の手に届くという流れになる。

同社ではこのカードを、金融業や大手流通業の提携カードなど、既存の電子マネー搭載のクレジットカードに採用してほしいと考えている。FeliCa事業部 営業部 営業1課 統括課長 飯野智彦氏は、今後の展望として、「FeliCa決済+接触EMV決済のカードは、現状かなりの規模に達しています。それらのカードがFeliCa決済+接触EMV決済に加え、非接触EMV決済を同居できる多機能チップを搭載したカードに切り替わることで、多くのお客様に利用していただきたいと考えています」と語った。

ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社
FeliCa 事業部 営業部 営業1 課 統括課長 飯野智彦氏

今後の導入先としては、国内のカード発行者だけではなく、海外にも目を向けている。柴本氏は、「海外市場に関しては、例えば、香港はFeliCa対応であるオクトパスカードが普及している市場。FeliCaが普及をしている地域に対してもこの多機能チップを提案していきたいと考えています。また、今後はJCB、Mastercard、Visaだけでなく、他の国際ブランドを搭載するような話も出てくると考えられますから、そういったところにも積極的に働きかけていきたいと考えています」と展望を示した。

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■お問い合わせ先
ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社
FeliCa 事業部
URL:sony.co.jp/felica/

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