2010年11月05日14:34
日本電気(NEC)は11月5日、薄型フレキシブルな特長を持つ「有機ラジカル電池」において、従来の課題だった信頼性を向上するとともに、出力を従来比1.4倍に向上し、実用化に向けて大きく前進したと発表した。今回開発した有機ラジカル電池は、電極の負極部分にリチウムイオン電池と同じ炭素材料を採用することで、充放電を繰り返しても初期の電池容量を十分に保つことができる。また正極部分には、高い導電性をもつ新たな電極を開発、採用し、従来比1.4倍の高出力を実現したという。
同社では同技術を用いて、薄さ0.7mm、500円玉サイズ、容量5mAhの有機ラジカル電池を試作。試作した電池を用いることで、10回以上の連続フラッシュ発光を約2万回行えるなど、小型の二重層キャパシタでは難しかった高輝度LEDフラッシュの連続発光が可能となった。また、フレキシブル性と高い出力が求められる高機能ICカード、ウェアラブル端末、フレキシブル電子ペーパーなどのユビキタス端末への応用も可能となったと発表している。