2020年6月23日8:00
インコム・ジャパンは、Visaプリペイドカード「バニラVisaギフトカード」を展開している。バニラ Visa ギフトカードは、世界6,100万以上のVisa加盟店で利用できるプリペイドカードだ。日常の買い物や海外旅行、オンライン決済でも利用可能だ。ギフトや個人での利用に加え、法人の販促商品や社内褒賞などでも利用されているという。新たな取り組みとして、Visaと協業して、日本航空(JAL)向けに専用のVisaプリペイドカード「JAL専用バニラVisaギフトカード」の発行を発表した。
唯一無二のVisaプリペイドカードを自負
――まずは、現状のインコム様のビジネスの状況からご紹介ください。
インコム・ジャパン(以下、インコム):当社は、USに本社を構えるInCommの日本法人としてPOSA(Point Of Sales Activation)カードの流通ビジネスにて創業し、Visaプリペイドカードの発行ビジネス、QR/バーコード決済のアクワイアリングビジネスなどを展開してきました。現在、POSA事業やコード決済事業ついては、市場の成長と併せて当社の主力事業となりました。一方で、カード発行事業はこれからの成長が期待されるビジネスです。アメリカでは、Visaなどのブランド付きのプリペイドカードを気軽に送りあう事が習慣化しており、大きな市場となっております。日本においても、日本ならではの活用方法を模索して、当社の次なる柱としていきたいと考えております。
――バニラVisaギフトカードの強みについてお答えください。
インコム:バニラVisaギフトカードは「誰でも」「直ぐに」「どこでも」使える点が特徴です。審査や個人情報が不要な為「誰でも」利用できます。また、コンビニなどで購入できるため「直ぐに」利用できます。最後に、世界のVisa加盟店で使えるので「どこでも」利用できます。リアルのお店でもネットでも使える点を含めて、他には無い唯一無二のVisaプリペイドカードだと思っています。ギフトでの利用やクレジットカードの代わりとして支持されています。
一方で、最近は、B2B取引上のソリューション活用の事例も多くなっています。POSA事業の技術を応用し「使いたい時に、使いたい分だけ有効化(仕入)ができる」ことが強みとなります。いつ、どれだけ使用するかわからない現金や商品券・金券などの代わりとして、事前の仕入や現物の管理、使用した後の処理などの財務/業務面での負荷を大幅に軽減することができる点が評価されています。
順調に販売金額が増加、ギフト包装タイプの商品を販売
――これまでの販売状況についてご説明ください。
インコム:2016年11月にバニラVisaギフトカードを販売して以降、順調に販売金額を増加させています。2019年4月に商品のリニューアルし、3,000円〜1万円の間で1円単位で購入金額を指定できる様になりました。また、2019年5月に商品ラインナップの追加を致しました。これまで店頭に陳列するタイプの商品のみでしたが、新たに商品券カウンターなどでの販売用としてギフト包装タイプの商品を販売致しました。ギフト包装タイプのバニラVisaギフトカードは最大10万円まで1円単位で1枚のカードで発行できるため、フォーマルギフトや法人での販促利用、社内インセンティブ利用、お詫び対応でも活用されています。今後も市場のニーズに寄り添いながら、さらなる事業の発展を目指していきます。
――特に販売の多い/ユニークな販路などはございますか?
インコム:販売拠点数が一番多いファミリーマートをはじめとして、ミニストップ、ドン・キホーテ、ウエルシア、ツルハドラッグなどの全国チェーンなど合計約2万5,000店舗で販売されています。また、ギフト包装タイプの商品についてはチケットポート、平和堂などの商品券カウンターで販売されています。この他にも大規模なB2B利用についてはバニラVisaサイトでも受付をしております。
――利用者の年代など属性データについてお聞かせください。また、購入はギフト用、自己利用のどちらが多いのでしょうか?
インコム:サービスの特徴でもありますが、個人情報を取得しない匿名のサービスにつき詳細は把握してません。また、「ギフト用」「自己利用」の両方で活用されています。
日本航空が「JAL専用バニラVisaギフトカード」を採用
――法人での活用シーンについてお聞かせください。
インコム:販促利用、社内インセンティブ、お詫び対応などで利用されております。当社のPOSA技術を応用した「必要な時に必要な分だけ有効化する」仕組みは、今までの金券や現金と異なり、予め金券を仕入れる必要や現金を保管する必要がありません。また、すでにギフト包装された封筒型の商品であり、1円単位で10万円まで設定できるため、封筒への封入作業や金額の確認作業なども不要です。さらに、有効化した金額はデジタルで管理できるため、今まで紙や表計算ソフトなどを使用して管理していた、使用金額の突合、集計作業や本社への報告、棚卸などの事後処理も大幅に軽減することができ、非常に喜ばれております。
中でも2020年から日本航空のお客様対応の品として採用されました(「JAL専用バニラVisaギフトカード」)。今までは、天候不順や機材トラブル等お客様対応の際に「現金」「マイル」などを活用しておりましたがグローバル化への対応などから、顧客満足向上の観点から世界のVisa加盟店で使えるバニラVisaギフトカードが選ばれました。また、当社のPOSA技術を応用した「必要な時に必要な分だけ有効化」する仕組みを導入したことで、現金の保管や、管理業務負荷を大幅に軽減することができました。
利用される加盟店の傾向は?ギフト文化の醸成に貢献へ
――利用されている加盟店の傾向などはございますか?
インコム:さまざまな加盟店で使用されております。敢えて、特徴をあげるのであれば、海外系の決済手段や通信販売サイト(PayPalやAliexpress)での利用があります。もしかしたら海外のサイトで自分のクレジットカードを使う事に抵抗がある方に、匿名で利用できるバニラVisaギフトカードをご利用いただいているのかも知れません。
――最後に、今後のカード発行、収益面などの目標についてお聞かせください。
インコム:ギフト目線では、現金や既存の商品券や金券にまだまだ太刀打ちできていないと考えています。まだまだ新しいサービスであるVisaのプリペイドカードを日本のギフト文化の中で習慣化されるには、ある程度の時間が必要だと考えております。業界全体で盛り上げていく必要があると思いますが、当社も率先して新しいギフト文化の醸成に貢献したいと考えています。