2011年9月8日8:00
国際航業は、2011年9月7日に記者会見を開催し、中国の高徳軟件有限公司(高徳)と共同で、中国で初めてとなるGIS(Geographic Information System:地理情報システム)を活用したエリアマーケティング・プラットフォームサービスを10月から開始すると発表した。
国際航業グループは、「グリーンエネルギー事業」「グリーンプロパティ事業」「空間情報コンサルティング事業」の3つの中核事業によって、グリーン・コミュ二ティの実現を表明している。そのうち、空間情報コンサルティング事業は、これまで官公庁向けに技術を提供してきたが、海外市場に向けたグローバルなサービス開発も積極的に行っている。
中国の消費経済は急速に発展している。最近では、都市の商業集積が進んでおり、エリアマーケティングサービスへの需要が高まっているという。中国のエリアマーケティング市場は2015年までに300億円まで発展し、関連市場を含めると1,000億円になると同社では試算している。
しかし、これまでは市場が十分に立ち上がっておらず、広範囲で品質の高いデータが流通していなかったそうだ。また、「測量など計測の資格」「ナビ電子地図の資格」「インターネット配信の資格」など、規制の厳しい分野だったことも市場の立ち上がりを遅らせていた。
今回、国際航業が提携した高徳は、中国でのサービスに必要な3つの資格を有しており、詳細な700分類のPOI(Point of Interest)、他社にはない独自調査した品質の高い統計データを有している点が強みとなっている。
これに、国際航業の60年に渡る空間技術の蓄積、10年以上のエリアマーケティングのノウハウとモデリング技術、1,000社以上の顧客実績から得た独自のアプリケーションを組み合わせた「中国初のエリアマーケティングサービス」を展開する。
具体的には、国際航業グループのGISエリアマーケティングツール「Earth Finder」と高徳が提供する地図配信サービス「MapABC」を利用し、「Earth Finder MapABC」を提供する。
サービスの開始に向け、両社では、1年半にわたり法規制、データウエア、ソフトウエアなどの議論を重ねてきた。その結果、「他社の追随を許さない、日本と同等以上のサービスレベルを実現できる」と国際航業 GEOソリューション事業部長 伊藤篤氏は自信を見せる。
同サービスは、非常に細かいレベルでエリアマーケティングへの活用ができる。また、分析に慣れていない人でもレポートを作成することが可能だ。
国際航業では、店舗立地の条件分析や選定、競合他社による売り上げ増減の予想、最適なエリアプロモーションの設定などが行えるプラットフォームサービスとして、中国での事業展開を強力にサポートする。例えば、新規出店時のターゲットとなる年代の確認、競合状況の把握、ポテンシャルのあるユーザーの確認、候補地周辺のデータ集計の把握、売上の予測が可能となる。また、中国に出店はしているが、既存店の状況が思わしくない場合、当該店舗の立地分析、ギャップ分析から、改善策を見出すことができるという。
統計データは、北京、上海、深セン、重慶からリリースし、順次50都市を提供する。また、IDの販売やコンサルティングサービスなども行う。国際航業では北京でも現地法人の設立を進め、中国進出企業を支援する。
まずは、2015年の中国のエリアマーケティング市場規模である300億円の10%のシェアとなる30億円の売り上げを目指す。国際航業ホールディングス 代表取締役社長 呉文繍氏は、「中国進出を目指す企業はぜひ、本サービスをご利用いただきたい」と意気込みを語った。