MIFARE 1KBを搭載した超薄型の非接触ICカードを開発、10万枚で100円を実現(DNP)

2012年6月18日18:30

大日本印刷(DNP)は、2012年6月18日、世界的にシェアの高いMIFARE 1KB(キロバイト)のICチップを搭載し、多機能でありながら、低価格で超薄型の非接触ICカードを開発し、販売を開始したと発表した。価格は、ロット10万枚で100円(税抜き)となる。

MIFARE 1KBを搭載した超薄型の非接触ICカード(出典:DNPのプレスリリース)

従来の薄型非接触ICカードは、ICチップの物理強度耐久性を保持することが技術的に困難だったが、DNPでは、長年培ってきた独自のICカード製造技術により、メモリ容量が大きい1KBのICチップを搭載しつつ、カード全体の厚みを従来の半分以下の0.3mmに抑えることに成功したという。平滑で凹凸のない薄型加工技術とICチップの小型化により、取り扱い時のICチップへのダメージが低減でき、耐久性が向上したそうだ。

また、今回搭載した1KBのICチップは、近接型非接触ICカードの国際標準規格ISO/IEC14443 TypeAに準拠したもので、世界的にシェアの高い非接触ICチップとなる。独自の暗号機能を搭載し、磁気カードなどでは困難であったセキュリティ性能を持ち、さまざまな用途で使用できるためシステム拡張性にも優れているという。

新カードは、今後拡大が見込まれているNFC対応の端末やデジタルサイネージにかざすことで、インターネットと連動したクーポン配信や情報提供などが展開できる。また、柔軟性の向上、薄型化により、これまでは困難だった雑誌やカタログなどの印刷物への貼付が可能になる。また、今後NFCの拡がりにより普及が期待されるスマートポスターとしても使用できるという。

新カードの利用用途としては、ID認証、ポイント、クーポン、チケット、ドアキーなどを想定している。DNPは同製品を、ポイントカードや会員証として提供するほか、特に国内ではアミューズメント業界やホテル業界などへ、海外では東南アジアを中心に交通事業者やテーマパーク業界などへ販売し、3年間で約20億円の売上げを目指す。

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