2010年9月10日8:30
CRM施策の現状~ファミリーマート
※ファミリーマートはカルチュア・コンビニエンス・クラブ運営の国内最大級のポイントプログラム「Tポイント」に参加し、ファミマTカードを発行している。
FM分析で会員を分類
同店未利用のT会員を集客
CRMへの取り組みとしては、T会員を対象に「RFM分析」のR(最終来店日時)以外を活用した「FM分析」を実施している。分析する情報を購入頻度(F)と購入金額(M)に絞り、例えば、「お得意さま」「ミドル」「ライト」「休眠」といったグループに分類している(図表1)。例えば百貨店などのように商品単価が高く、来店スパンが比較的長い場合は最終来店日時のデータを活用できるが、コンビニエンスストアの場合は商品単価が低い上、日常的に利用されることが多く、来店スパンが比較的短いため、そのデータは排除した。RFM分析はCRMに広く用いられているが、「コンビニエンスストアで実のあるデータを取得できたことに価値がある」と同社では捉えている。
同社はFM分析を行い顧客の状況を把握したうえで、各状況に合わせたアプローチに取り組みはじめている。
一方、同社では、Tポイントアライアンスを活用した新規顧客開発手法として、同アライアンス加盟店より、ファミリーマート店への来店実績のない見込客を店頭に呼び込む取り組みを行っている。一例としてTSUTAYA店舗では、休眠顧客やファミリーマートへの来店実績がない見込客に、POSレジでファミリーマートの割引券などのクーポンを発券している。クーポン配信はCCCのマスターで制御でき、個々の会員の他の提携店における購買実績に応じ、割引金額や割引率などの細かい設定も可能だ。
TSUTAYAとは性、年代により、ターゲットを絞った共同での取り組みも実施。例えば、ファミリーマートのオリジナルデザート商品である「Sweets+」とTSUTAYAの女性客をターゲットにしたDVD商品を両方購入すれば、抽選で賞品が当たるキャンペーンを行った。
ガソリンスタンドのENEOSとの取り組みでは、ファミリーマートのPB商品のミネラルウォーターをリニューアルした際、エネオスにて無料引換券を裏面に印刷したレシートを配布してもらう一方、同社ではエネオスのキャンペーンを店内放送などで告知した。
※本記事はアイ・エム・プレス社発行の「CRM年鑑2010」に掲載された内容の一部をご紹介したものです。
「CRM年鑑2010―CRM&ダイレクトマーケティング成功事例集」の紹介ページ
アイ・エム・プレスの「CRM年鑑2010」では、CRM推進企業30社の(1)企業の概要、(2)CRMへの取り組みの背景、(3)顧客情報の収集・管理方法、(4)CRM施策の現況、(5)CRM施策の効果、(6)課題と展望がまとめられています。本記事ではファミリーマートの(4)CRM施策の現況のみをご紹介しております。