2021年4月30日9:17
三重県多気町に国内最大級の商業リゾート施設「VISON」が2021年4月29日にオープンした。VISONでは、顔認証決済や地域通貨にも取り組む予定で、周辺地域も含めたデジタル地域経済圏構築を目指すという。
※VISONは三重県緊急事態宣言にしたがい、2021年5月11日までは周辺地域の住人を中心に営業している。
地域を元気にする施設へ
民間施設直結スマートインターチェンジも開通
VISONは、アクアイグニス、イオンタウン、ファーストブラザーズ、ロート製薬の4社が合同会社「三重故郷創生プロジェクト」を設立し、東京ドーム24個分(約119ha)の敷地を生かしてオープンした大型商業施設となる。第一期となる29日には産直市場、スイーツエリアなど18店舗がオープン。第2期第の6月5日には温浴施設・木育エリア、第3期の7月20日には宿泊施設・食のエリア・農園エリアなど全施設(68店舗)がオープンする予定だ。
4月27日には報道陣向けのプレス内覧会と説明会を実施。VISONは、2013年から事業計画がスタート。アクアイグニス 代表取締役 立花哲也氏によると、7年前に三重県多気町長 久保行央氏から、同町で「地域を元気にする施設ができないか」という話を受けて事業をスタートした。VISONは「地域とともに」をコンセプトに、施設は地域の木材を使用している。日本発で、世界に通用する施設を目指しており、多くの企業やメーカー、多気町・大台町・明和町・度会町・大紀町・紀北町の6町の生産者や漁師が協力して、地域を盛り上げていきたいとした。
三重県多気町長 久保行央氏も「自然と食を提供する施設ができています」と話す。また、VISONは全国で初めて、「民間施設直結スマートインターチェンジ」が認可されたため、伊勢方面から訪れる利用者は高速道路から降りると施設に直結することが可能だ。
西の食材の拠点となる街づくりを目指す
フードロスにも取り組む
「スウィーツ ヴィレッジ」を担当した辻口博啓氏は「VISONから始まる食の文化を後世に広げていきたい」と意気込む、また、「マルシェ ヴィソン」を担った手島竜司氏は三重県は松阪牛や伊勢エビなど、メジャー級の食材があるとしたうえで、東に築地があるように、西は「VISON」が拠点となるように取り組んでいきたいとした。さらに、SDGsも含めて、フードロスにも取り組む方針だ。
第一期でオープンした「猿田彦珈琲」の代表取締役 大塚朝之氏は、同社のブランド名は『みちひらき』の神様・三重県伊勢市の猿田彦大神から拝受していることから、三重県での店舗展開ができないかと以前から考えていたそうだ。今回のVISONの店舗は、同社最大規模を誇る大型店舗となった。
地域の課題を解決し、地方創生
さまざまな業種を横断する27企業がコラボ
VISONは、内閣府が進めている国家戦略特区施策「スーパーシティ特区」の候補地に立候補している。スーパーシティ特区でアーキテクチャーを務める大日本印刷 モビリティ事業部 事業企画室 室長 椎名隆之氏は、6町が連携し、さまざまな業種を横断する27企業によるコラボレーションにより、地域の課題を解決し、地方創生を進めていきたいとした。
6町では、スーパーシティ構想において、VISONを拠点とした広域エリアで、複数分野の最先端技術を組み合わせて、地域の社会課題を解決する取り組みを進めていく。
同コンセプトの「ブラウン・フィールド」は、6町連携の基礎自治体広域横断型モデルとなり、少子化/高齢化/人口減少、地域医療の減少/医療費の増加、林業等地域産業の衰退、公共交通廃線による交通空白地増加といった地域課題の解決に取り組む。一方の「グリーン・フィールド」では、先端技術を活用した地方創生、複数のサービス横断型のデータ連携モデル構築、大胆な規制改革を活用した早期社会実装を進める。椎名氏は「グリーン・フィールドで顔認証や自動運転、地域の課題を解決するテクノロジーを使ってスーパーシティを推進していきたいです」と意気込む。
施設内の地域通貨から行政や地域での活用へつなげる
地域通貨はフィノバレーがシステム提供、顔認証決済も構築準備
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