2021年5月11日9:34
KDDI、一般社団法人渋谷未来デザイン、一般財団法人渋谷区観光協会は記者説明会を開催し、「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」を通じ、2021年5月25日から仮想空間「バーチャル渋谷」を拡張し「原宿」新エリアの提供を開始すると発表した。なお、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんが「バーチャル原宿」のスペシャルサポーターに就任した。
バーチャル渋谷では50万人以上が参加
2020年5月19日に渋谷区後任として開始した「バーチャル渋谷」は、自宅からスマートフォンやPC、VRデバイスを使って参加することができ、リアルに再現された原宿の街を自分のアバターを操作して自由に動き回ることが可能だ。今までに延べ50万人以上が参加している。
コロナ禍の中、渋谷に人が来れない課題にも役立てられてきた。一般社団法人渋谷未来デザイン 理事・事務局次長 長田新子氏によると、ハロウィン企画では40万人がバーチャル空間に訪れたという。また、日本一大きなクリスマスツリーを飾ったり、クラウドファンディングによりバーチャル渋谷の地下にライブハウスをオープン。ライブハウスでは、5月23日まで毎週末ライブを実施。現在開催中の「シブハル祭 2021」では、スタンプラリーなどの取り組みを行っている。利用者の中にはインターネットに慣れていない人もいるが、毎日情報を発信するにつれて、初めてのユーザーが訪れるようになっている。
バーチャル上で原宿の街の買い物体験、世界への発信を目指す
今回、日本を代表するファッションの街でもある原宿エリアがオープン。世界的なアイコンとなる原宿の魅力を発信していく。原宿エリアでは、神宮前の交差点、ラフォーレ原宿をフィーチャー。5月25日~31日の間、最新のスニーカーやウェアを提供する「atmos」のバーチャル店舗の出店や、新たなスター発掘オーディションの実施など、「バーチャル原宿 au 5G POP DAY OUT 2021」を開催する。
「atmos」のバーチャル店舗では、新型コロナウイルス感染症対策のために外出自粛が求められる中、離れた場所にいる友人や家族と同じ空間を共有し、会話などを楽しみながら原宿の街で買い物をしているかのような体験ができるという。
これまでのバーチャル渋谷での展開はリアルとバーチャルの融合は行われてこなかったというが、今回はリアルの街がバーチャルに拡張し、相互に行き来できる提案を考えている。本来は原宿エリアの拡張に合わせてリアルとの連動を図りたかったそうだが、コロナ禍でリアルに誘導する施策は見送り、もう1つの原宿の街を提案している。KDDI 事業創造本部 ビジネスインキュベーション推進部 部長 中馬和彦氏は、「バーチャルでしかできない体験型のEC、リアル以上の体験をしていただきたい」としたうえで、「国内のみならず世界的に展開していきたい」と意気込みを見せた。
ラフォーレ原宿はリアル店舗との相互送客へ
渋谷区観光協会 代表理事 金山淳吾氏は「バーチャルで形にして、ノウハウやアイデアを実際の街に持っていく、行ったり来たりが実現できれば」と期待した。特に海外からの観光客は原宿エリアに期待しているそうだ。
ラフォーレ原宿 館長 安藤正志氏は、今回の取り組みを「非常に夢のある、拡張性の高いお話」だとした。オンラインに加え、リアルにもつなぎこみができるのは期待値が高い。安藤氏は「オンライン経由での接客や購買の期待が高まっている中で、ラフォーレも新しいカルチャーのチャレンジや発信で新しいショッピング体験ができます。館でライブコマース、越境コマース、AR(拡張現実)の取り組みを展開していますが、バーチャルでのポップアップスペースを連携することで相互送客を展開していきたいです」と語った。
渋谷区 区長 長谷部健氏は、渋谷区の新たな街づくりとして、「地域の人も巻き込みながらリアルとバーチャルの空間が盛り上がっていく」取り組みになることを期待した。
コマースや決済の形は?
なお、イベント期間中は、リアルの店舗と連動して、商品を購入できるEC機能を搭載したバーチャル店舗がオープンし、購入した商品は郵送によって手元に届けられる。
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