2021年6月9日10:41
NTTコミュニケーションズ(NTT Com)とパナソニック システムソリューションズ ジャパン(以下パナソニック)は、NTT Comが2021年4月に開設した共創環境「CROSS LAB for Smart City」(以下CROSS LAB)にて、顔認証を統合IDとするデータ利活用事業の共創を2021年6月より開始した。
NTT Comのデータ利活用基盤の1つである「Smart Data Platform for City」と、ディープラーニングを応用した顔認証技術を活用したパナソニックの「顔認証 入退セキュリティ&オフィス可視化システムKPAS(ケイパス)」を連携し、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い需要が高まっている非接触での入退室や、属性に合わせたパーソナルな照明・空調制御を行うことで、オフィスでの生産性向上を目指す。
同取り組みでは、「Smart Data Platform for City」上で、顔画像とひもづいた情報を統合IDとして管理し、CROSS LABのさまざまなシステムと連動させる。顔画像をIDに活用することで、利用者側はIDカード等の紛失によるセキュリティリスクを低減でき、衛生的にも優れる非接触での認証が可能というメリットがある。管理側としても、カメラや認証端末を設置するだけで利用できる顔認証を活用することで、サービスの利便性を高められる。
今回の事業共創では、入退ゲートの顔認証で得た属性情報に応じて、室内のエリアごとの照明や空調を制御する。例えば、色を正しく見る必要がある印刷やデザイン関係の仕事をする人のエリアでは照明を自然光に近い明るさにするなど、一人ひとりの業務内容に合わせた環境作りをすることで、ストレスの少ないオフィス環境の実現に向けた検討を行う。
両社では、より連携を一層深め、顔認証を統合IDとした、利便性の高い新たなソリューションの提供を目指す。一例として、オフィスビルでは、待ち時間の短縮によって密を回避する仕組みを検討している。一人ひとりの行き先階を把握しエレベータの制御を行うことで、利用者を効率よくエレベータに誘導することが可能になる。また、スタジアムやアリーナにおいては、タッチレスな入退場や決済環境に加え、一人ひとりに合わせたパーソナルなファンサービスの提供を検討していくそうだ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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