2021年12月7日8:30
大阪の観光地、道頓堀商店街で2021年12月7日~26日まで、顔認証決済やAR技術活用の実証実験が行われる。6日には記者向けの説明会が行われた。
道頓堀の観光DX化を目指す
先進技術を用いた商店街に向けた施策
今回の実証実験は、パナソニック、パナソニック システムソリューションズ ジャパンが道頓堀ナイトカルチャー協議会と連携した取り組みとして、道頓堀商店街で実施するものだ。道頓堀ナイトカルチャー協議会は、道頓堀商店会、JTB、公益財団法人大阪観光局が発起人となり2019年11月に設立され、2025年の関西万博に向けて、道頓堀の観光DX化を目指した実証実験に取り組んでいる。
道頓堀商店街は、「大阪一、日本一の商店街だと自負しています」と道頓堀商店会 会長 上山勝也氏は話す。道頓堀は、エンターテインメントの街であるとともに、食や観光を楽しむことができ、歴史もある。また、女性が一人でも歩けるように、安心安全な街を目指している。コロナ以前はインバウンドの観光客も含め、オーバーツーリズムの状況になっていたというが、コロナ禍で観光に対して整理する中で、今回の実証実験に取り組むこととなった。上山氏は、「財布を持ち歩かなくてもご飯が食べられる、物が買えることを全国に発信する力のある商店街です」としたうえで、関西万博に向けて、先進技術を用いた商店街に成長していきたいとした。また、道頓堀ナイトカルチャー協議会では、インバウンド旅行者も安心して遊べる夜の街をパナソニックやJTBと協力してつくりあげていきたいとしている。
顔認証決済とスタンプラリー提供
12店舗が顔認証決済の実験に参加
今回の実証実験イベントの名称は「スマイルスタンプラリー」で、顔認証決済・スタンプラリー、および回遊アプリを提供する。道頓堀観光のDX化を目指し、リアルとバーチャルでサービスを行う。17店舗が実験に協力し、12店舗で決済が可能だ。「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」で一連の観光体験における利便性や利用頻度を検証し、スマートツーリズムの具現化に役立てる。
実証実験の流れとして、参加者はポスターやポータルサイトなどのQRコードを手持ちのスマートフォンで読み込み、サイトへアクセスして、メールアドレス、個人属性、顔画像、クレジットカード情報などを登録する。今回はWebブラウザを利用しており、アプリレスで利用可能だ。登録完了後は、顔認証でログインも可能で、各種機能を利用できる。
12店舗では、タブレット端末に顔をかざし、PINコードを入力すると手ぶらで支払いが可能だ。利用者はマスクを着用したまま決済できる(店舗環境によっては外して決済する可能性もあり)。店舗での決済は東京ドームで行われた実験と同様のフローで行っている。店舗での決済完了後、自動的にスタンプが付与され、スマートフォンで実証アプリからスタンプを確認。スタンプがコンプリートした場合には、アンケートに回答するとパナソニック賞品が当たるキャンペーンに参加できる。
大正時代の街並みを楽しめる
7つのデータ分析でマーケティング施策立案へ
回遊サービスの「バーチャル商店街」では、道頓堀商店街を写真で再現したバーチャル商店街を回遊体験して、実証参加店舗の店内の様子や関連情報の取得など、商店街の来訪前にリアリティのある体験が可能だ。モードとして、昼・夜・CGで再現された大正時代の3つを用意。大正モードは、関西大学なにわ大阪研究センターの協力を得て再現した。
「ARフォトウォーク」は、GPSによる位置情報を活用し、ARでの参加店舗やスポットまでのナビゲーションやガイダンス、AR フォトによる道頓堀特有の突起看板などのARと組み合わせた写真撮影ができる。今回は18箇所にARフォトスポットを設置し、専用アプリ不要で商店街を回遊しながらARフォト体験が可能だ。
「みんなの投稿」では、Instagramに投稿された道頓堀関連の写真、動画、ARフォトウォークで撮影した写真等を閲覧することで、事前にイベントの様子を把握できる。
さらに、データ分析では、登録者の属性と利用履歴、顔認証決済・スタンプラリー履歴の統計情報に基づいて、①誘導元データ解析、②決済データ解析、③バーチャル商店街の誘客効果測定、④ARフォトウォークの回遊促進効果測定、⑤SNSの拡散効果測定、⑥利用者/店舗アンケート分析、⑦店舗別レポート、の7項目を分析し、マーケティング施策の立案に役立てるそうだ。
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