2022年1月12日8:30
新型コロナ禍において、非接触や非対面での取引が脚光を浴びている。これらの取引においてその取引を実行している人が本当に正しい人であるかを見極めることは非常に肝要である。
現時点において本人認証を高確度で行える手法の一つとして生体認証が挙げられる。今回はこの生体認証に関して執筆する。
記事のポイント!
①「強力な顧客認証」が要求され始める
②将来は将来的には現在のCVMに生体認証が追加の日も
③現時点での生体認証の標準は?
④MastercardはBSOCとCSIに基づく必要が
⑤スタンダードにおける試験内容は?
⑥生体認証デバイス試験は2つで構成
⑦パフォーマンス試験のメトリック
⑧PAD試験の概要
生体認証と決済
欧州を中心に金融の規制緩和が進んでいる。その中で「強力な顧客認証」(Strong Customer Authentication (SCA) Payments)が要求され始めている。銀行は今後、その基準を満たしていない支払いを拒否できる。SCAを実現する手段の一つとして生体認証が注目を浴びている。昨今、指紋センサー付きのクレジットカードが出始め、銀行のATMでは暗証番号に代えて、指紋や静脈で本人確認を行う機種も散見する。
例えば、従来クレジットカードの本人認証は署名またはPIN入力のいずれかであったが、PINも4桁しかなくいずれも強力な本人認証方法とは言えなかった。生体認証を使用することで本人認証の精度が飛躍的に向上し、非接触カードでの取引であっても利用限度額が従来1万円程度から引き上げられることが期待できる。
また、現時点、決済ターミナル側に生体認証機能が搭載されているものは見受けられないが、将来的には現在のCVM(Customer Verification Method)に生体認証が追加される日が来ると思われる。(ターミナル側に生体認証機能を持たせる場合、テンプレートをどこに置き、どのようにそれと照合するかという問題を解決する必要あり)
さらにフィンテック上でのサービスに於いて、送金や振込などで本人認証が必要となった場合、生体認証機能付きスマートフォンやUSBキーなどが活用できる。
生体認証の標準
生体認証は多くのシーンで展開されているが、現時点ではそれを取り扱う標準や規則はそれほど多くない。生体認証ソリューションを具体的に示す多くの独立した標準及びスキームは、標準のギャップを埋める上で重要な進歩を遂げ始めている。これらは、FIDO Alliance、様々なISOワーキンググループ、NISTなどの業界組織、個々の企業、特にAndroid(Google)、Mastercard、Microsoft(Windows Hello)、及びVisaに由来する。
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