2022年2月14日9:00
アイリスオーヤマとソフトバンクロボティクスグループは、2022年2月2日、ロボット市場における中長期的な需要創造と社会課題解決を目指して、「業務提携合意書」を締結した。両社では、最大4段の大容量トレーで配膳・運搬が可能なKeenon Roboticの配膳・運搬ロボット「Keenbot アイリスエディション」を販売開始した。「Keenbot アイリスエディション」は、大容量の配膳・下膳に対応し、フレキシブルなスピード変更が可能で、操作性の高さも強みとなるそうだ。
「SDGs」と「業務DX」を実現へ
両社では、ロボット市場における中長期的な需要創造と社会課題解決を目指して、「業務提携合意書」を締結した。また、アイリスオーヤマはソフトバンクロボティクスグループが実施する総額100億円の「第三者割当増資」の引き受けを決定した。当日は、両社による調印式を実施した。
両社では、2021年2月に合弁会社「アイリスロボティクス」を設立。同社では、業務のロボット化に関するトータル・ソリューションを提供しており、連携を深めている。アイリスオーヤマ 代表取締役社長 大山晃弘氏は、「SDGs」と「業務DX」を実現させたいとした。今後は、AIやIoTセンサーを組み合わせ、より安心・安全な職場環境を目指すとともに、飲食店の業務の効率化など、より効率的なソリューションを展開していきたいとした。
ソフトバンクロボティクス 代表取締役社長 兼 CEO 富澤 文秀氏によると、同社はスマートロボットのトップ集団として名前がワールドワイドで浸透してきたという。日本は2030年には600万人の労働人口が減少するといわれているが、顧客接点やソリューション開発能力があるアイリスオーヤマと連携することで、長所・短所を補えるパートナーになれるとした。
飲食・サービス業界の人手不足の課題解決へ
新製品については、アイリスオーヤマ 執行役員 BtoB事業グループ メーカー本部 本部長 兼 ロボティクス事業部 事業部長 本所 翔平氏が紹介した。アイリスオーヤマによると、2030年の労働人口は7,000万人で、実際の供給は640万人が不足するため、非常に大きな社会課題になる。逆に言うと、企業にとっては労働人口の不足を見越して経営のシフトチェンジをする必要があり、ロボットで日本の社会課題を解決したいという想いで事業を進めているそうだ。特に飲食・サービス業界は、2030年に400万人が不足すると言われている。本所氏は「我々はサービスロボットを通じて飲食・サービス業界の人手不足を解決することを重要な課題としてとらえています」と話す。
飲食・サービス業の従事者は、2019年8月時点の549万人から、2021年8月は488万人と、実に61万人が減少した。人件費の高騰によるコスト増に加え、コロナ禍で顧客と接触することを怖がられて採用も難しくなっているとした。第5派のピーク後はリベンジ消費で客足は戻っているが、働き手が減少しているため、店舗のスタッフの業務負担が増えている。飲食業は、配膳、下膳、接客が主だったが、コロナで感染症に目を配りながら業務にあたる必要がある。
同社では、2018年にはAI清掃ロボット「Whiz」を販売。これまで2,500社に導入され、世界シェア№1となっている。また、配膳・運搬ロボット「Serviアイリスエディション」でロボットと人との共存を進めており、300ブランドの飲食店に採用されている。
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