2016年5月24日21:32
MasterCardは、現地時間の2016年5月24日、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」内で動作する初のコマースアプリケーションを公開した。同アプリケーションは、MasterCardのグローバル決済サービス「MasterPass」をベースにしている。MasterCardとソフトバンクロボティクスは、Yum! Brandsと協力して、年内にアジア太平洋地域のピザハットの一部店舗にて同アプリケーションの試験運用を開始する。
同アプリケーションは、Pepperの能力を拡張し、顧客サービス、情報へのアクセス、販売をシームレスに統合し、一貫したユーザー体験を提供するという。注文とチェックアウトをPepperに任せることで、ピザハットでは店員が店内の消費者により一層注意を払えるようになり、顧客サービスを向上させ、顧客満足度の改善を図る。また、Pepperの注文受付および決済管理能力が、売上の約80%を占める配達および持ち帰りサービスの待ち時間の短縮を可能にする。
消費者は、Pepperに挨拶し、自分のウォレット内のPepperアイコンを押すか、Pepperが持つタブレット上のQRコードを読み込むことで、MasterPassアカウントを同期させることができる。同期した後は、Pepperがパーソナライズされたオススメ情報や特典サービス、商品の詳細情報を提供し、チェックアウトやアイテムの支払いをサポートするという。Pepperは、Wi-Fiを通じてMasterPassに接続し、取引の開始、承認、完了することができ、一連の取引はウォレット内で行われる。
同アプリケーションは、世界中にあるMasterCardの8つの研究開発センター(MasterCard Labs)の1つであるシンガポールのチームにより開発された。Pepperと決済機能の統合は、パーソナライズされたショッピング、コンシェルジュ・サービス、インアイル・チェックアウト、店舗で購入し家まで配達してもらうサービスなど、小売業界に新しい市場機会をもたらす潜在性を秘めているそうだ。また、ホテルや銀行、空港、それ以外の顧客サービス業界など、その他の消費者向けサービスを提供している場所でも同じ機能を利用することができる
なお、同アプリケーションは、2016年5月24日から26日までフランスのパリで開催される、ソフトバンクロボティクス・ヨーロッパ(ソフトバンクロボティクス・ホールディングスのグループ・カンパニー)主催の「Pepper Partners Europe」イベントで展示される予定だ。