2022年3月24日8:00
愛知県名古屋市の名鉄協商は、「名鉄協商パーキング」のサービスとして提供している「MKPポイントカード」に、新たにクレジットチャージ機能を追加した。利用者があらかじめスマートフォンなどからクレジットチャージをしておくことで、1枚のポイントカードで料金の支払いとポイントサービスの利用が可能となる。名鉄協商パーキングにおけるキャッシュレス化を推進すると同時に、利用者へのさらなるサービス向上を目指す。
独自でポイントシステム開発
時間貸し3,300カ所で利用可能
名鉄協商は、名古屋鉄道のグループ会社。駐車場事業としては、鉄道の高架下や大型商業施設の駐車場などの管理からスタートして、今では、周囲の環境に調和した快適な駐車スペースを地域に提供している。コインパーキングや月極駐車場、施設併設型駐車場、公共駐車場などありとあらゆるタイプの駐車場を手がけ、培われてきた豊富なノウハウをもとに、時代のニーズに応える駐車場づくりが強みだ。駐車場の管理台数は8万6,938台(2021年12月時点)で愛知、岐阜、三重の3県で高いシェアを持っている。
「MKPポイントカード」は、時間貸しの名鉄協商パーキングの利用を対象としたポイントカードで、会員数約16万人(2022年2月現在)。名鉄協商が独自でシステムを開発し発行しているもので、時間貸しの名鉄協商パーキング約3,300カ所で利用できる。利用者は、このポイントカードを料金精算機に挿入することにより、現金やクレジットカードなどで支払った料金に応じたポイントを貯めることができ(料金100円につき通常1ポイント)、貯まったポイントは100ポイント単位で料金の支払いに利用できる仕組みだ。名鉄協商 パーキング企画部 住田豊和氏は「駐車場は、どのようなお客様がどのようなシチュエーションで活用しているかを把握するのが難しく、それらを『見える化』することによって、どういう利用法があるかを知り、その情報を活かして、新たな駐車場の設置や料金設定などの参考にしています」と話す。時間貸し駐車料金の会員限定割引や割引クーポン配信などの会員特典がある。
半年間の利用でボーナスポイント
数十万円利用のヘビーユーザーも
MKPポイントカードの導入は10年以上前。当時は、駐車場専業会社がオリジナルのポイントカードを展開するケースは少なかった。MKPポイントカードの会員数は年々増えており、マーケティング活用により、顧客の囲い込みに効果を示している。「年会費は必要なく、手軽に作っていただける個人向けのカードで、発行枚数は多いです。その中で、数万人がアクティブに利用していただいています」(住田氏)。利用に応じてポイントが貯まるインセンティブのほかに、半年間の利用に応じてボーナスポイントが付与される仕組みを設けており、半年間に数十万円を使うヘビーユーザーもいるという。
今回の機能追加により、利用者があらかじめスマートフォンなどからクレジットチャージをしておくことで、1枚のポイントカードで料金の支払いとポイントサービス(貯める・使う)の利用が可能となる。また、クレジットチャージの際には、チャージ金額の3%分(通常)のポイントが付与される。
クレジットチャージ機能のサービス開始は2021年12月15日から。チャージ方法は、MKPポイントカード会員マイページにログインし、クレジットカード情報を登録する。そして、希望のチャージ金額(1,000円、3,000円、5,000円、1万円)を選択する。チャージ上限金額は、3万円。
MKPギフトカードのサービス展開
スマホで利便性向上視野に
住田氏は「オペレーションコストを下げるため、現金の取り扱いを減らしていきたいので、マイページからのチャージの形式を採用しました。もともと、MKPギフトカードのサービスを展開していて、ある程度のニーズがあると予測していました。お客様からは良い反応をいただいています。まだまだ、スタートしたばかりですが、精算件数は想定通りで、キャンペーンの効果もあって利用客も増えています。単価の高い関東圏の利用者の中には上限の3万円をチャージしていただいているケースもあります」と話している。
近い将来、スマートフォンとの連携なども視野に顧客利便性の向上と管理コストの低減の両立を加速させる方針だ。駐車料金の支払いに関しては、交通系電子マネーやQRコード決済が利用できる駐車場を増やすことも検討している。「ロイヤルカスタマーに利用し続けていただくことが大事で、同時に、一見様にも選んでいただける環境づくりにも取り組みたい」(住田氏)と言う。
現状は、KMPポイントカードのメリットが享受できるのは、時間貸し駐車場に限定されているが、今後の展開として、月ぎめや定期利用、自転車の駐輪場など、名鉄協商のさまざまなパーキングサービスの利用客にもポイントが貯まる仕組みの構築を目指す。
カード決済&リテールサービスの強化書2022より