2022年4月7日8:00
「SOKUYAKU」の支払いがクレカに加えコンビニ後払いでも可能に
ジェイフロンティアは、オンライン診療・服薬指導・処方薬宅配サービス「SOKUYAKU(ソクヤク)」を展開している。アプリを使って、診療・服薬指導の予約から薬の受け取りまで一気通貫で対応。全国1,500店以上の調剤薬局をネットワークし、バイク便との協業により全国5地域で薬の当日配達を可能にするなど、利便性の高いサービスで利用者の支持を集め、リピーターも多いという。料金の支払いにはクレジットカードに加え、コンビニ後払いを利用できるようにした。これによって、クレジットカードを持っていない若年層などもサービスが受けられるようになり、利用者層が広がっている。
診療・薬局・配送をまとめて予約
診療当日の処方薬受け取りも可能
コロナ禍でオンライン診療が注目されている。厚労省は2020年4月、特例的な措置として初診のオンライン診療を解禁。自ら調剤薬局を運営していたジェイフロンティアでは、このタイミングで電話による服薬指導と処方薬の宅配事業を開始。2021年2月には、新たに「SOKUYAKU(ソクヤク)」アプリをリリースし、オンライン診療の予約から処方薬の宅配までを一気通貫で提供する医療プラットフォームサービスをスタートした。開始から約1年が経過した現在、アプリの累計ダウンロード数は15万超となっている。
「SOKUYAKU」では、オンライン診療の予約をする際に、調剤薬局も同時に予約する。さらに、薬を当日受け取りたいか、翌日以降でもよいかを選択する。こうして、オンライン診療、オンライン服薬指導、処方薬宅配の3つをまとめて予約するシステムをとっているのだ。
処方薬を診療当日に受け取ることが可能な地域は、東京23区、横浜市、大阪市、福岡市、名古屋市の全国5地域。これらの地域内であれば、自宅がどこにあっても、半径3キロメートル圏内の登録調剤薬局が選べるようになっており、その薬局から協業のバイク便で処方薬を届ける仕組みだ。当日配送の場合にはバイク便の実費、550円を利用者が負担する。ジェイフロンティア SOKUYAKU事業部 事業本部長 深沢七菜氏は「特に発熱している方、痛みのある方などは、すぐに薬がほしいというニーズが高いです。当日配送を行っているところはほかにないので、利用者に喜んでいただいています」と話す。
「SOKUYAKU」に登録している調剤薬局の数は、2021年12月末時点で全国1,500店。同社が1店1店協力を呼び掛けて作り上げてきたネットワークだ。これまでは個店や小規模店を中心に声をかけてきたが、今後はドラッグストアチェーンも含め大規模展開している企業との協業も進める。2021年12月に福岡県の大賀薬局が、2022年2月に石川県のクスリのアオキがネットワークに加わった。
現金後払いが可能に
若年層・高齢者層の利用が拡大
「SOKUYAKU」の利用料金の支払い方法はVisa、Mastercard、American Expressのクレジットカードのみだったが、2021年9月より、GMOペイメントサービスの「GMO後払い」によるコンビニ後払いが加わった。コンビニ後払いを希望する利用者は、オンライン診療・処方薬受取後に送付される払込用紙(ハガキ)で、コンビニ払い、もしくはスマホ決済で料金を支払う。
コンビニ後払いの導入によって、クレジットカードを持てない・持たない若年層や高齢者も「SOKUYAKU」を利用できるようになり、利用者層が拡大している。
「SOKUYAKU」を一度利用すると便利さを実感でき、同じ科を継続的に受診したり、ほかの科や医療機関の診察も受けたりと、リピート利用する人が少なくない。「まだオンラインで診察を受けるということを体験している人が非常に少ない。その中で初回利用のハードルをいかに下げるかが、現時点での最大のミッションだと思っています」(深沢氏)。同社ではWeb広告などを活用してサービス告知に努める一方、Web、フリーダイヤルによる電話、LINEの窓口を設けて、不明点やアプリの操作方法などに関する問い合わせに対応している。
「オンライン診療はいずれ、ごく一般的な受診方法として定着していくでしょう。われわれは『SOKUYAKU』のプラットフォームを使って、この分野で日本一のシェアをとり、世の中にオンライン診療という新たな文化を作ることに貢献していきたいと思っています」(深沢氏)。とはいえ、すべてをオンラインで完結することがベストだとは考えていない。ショッピングと同じようにオフラインとオンラインを組み合わせて利用できるような世界観を作り出していきたいとしている。
カード決済&リテールサービスの強化書2022より