2022年5月6日9:00
ブランド力を持つアパレル2社が、自社ECサイトと実店舗を連動させて付加価値を高めるOMO(オンラインとオフラインの融合)展開を強化している。サイトをリニューアルし、ネットで予約した服を指定店舗に取り寄せて試着できるサービスに力を入れる。背景には試着への顧客ニーズが高いことや、同サービスを導入した店舗の売り上げが伸びていることなどがある。実際に試着し購入後に決済するという合理性や安心感も、支持されている要因という。
通販研究所 渡辺友絵
記事のポイント!
①オンワードはOMOサービス「クリック&トライ」リニューアル
②オンライン決済の改善も狙いに
③OMO戦略推進で二桁増の連結EC売上高を見込む
④「ユナイテッドアローズオンライン」リニューアル
⑤「お店で試着」サービスで購入しなくても構わないシステムへ
⑥自社運営でOMO施策を担保した設計に変更
⑦アパレルは店舗への取り寄せサービスが欠かせない施策に?
⑧資金力、時間、OMO施策への強い意志が必要に
オンワード樫山は取り寄せ可能店舗を大幅に拡大
オンワード樫山は2022年4月、実験的に手がけていたOMOサービス「クリック&トライ」のリニューアルを発表した。自社サイト「オンワード・クローゼット」の商品を実店舗に取り寄せて試着できるサービスで、スマートフォンやパソコンからこれまで以上に簡単、便利に利用できるようにした。
「クリック&トライ」を今期におけるOMO戦略の柱と位置づけ、4月上旬にはサービス導入店舗を自社実店舗の3分の1にあたる278店舗へと広げた。「クリック&トライ」をフックに、実店舗ごとの売り上げ拡大につなげたいとしている。
リニューアルでは、取り寄せる商品を「オンワード・クローゼット」の商品詳細ページにある「店舗で試着する」ボタンから簡単に予約できるようにした。ここをクリックし、その後希望店舗を選んで内容を確認後、申し込みボタンをクリックすれば完了する。
商品の準備が整うと案内メールが届くので、取り置き期間である7日以内に予約店舗に行けば試着や購入ができる。その期間を過ぎると、自動的にキャンセル扱いとなる。
例えば「UNFILO」のカットソーと「23区」のパンツなど、ブランドの垣根を超えた商品を取り寄せて試着することも可能。SSサイズといったイレギュラーサイズの取り寄せ依頼が多いほか、地方の店舗で普段は取り扱っていないブランドを試してから購入したいというニーズも高い。
取り寄せ商品は店舗での決済となり、現金や各種クレジットカードのほか楽天ペイ(アプリ決済)やPayPay、LINE Pay、d払いなどほとんどのQRコード決済が使える。現金とクレジットカードの場合は、オンワードポイント(500ポイント以上)での支払いも可能。試着後にサイズが合わなかったり気に入らなかったりの理由で購入しない場合も取り寄せや返品の費用は不要なため、顧客にとっては合理的で利便性が高いサービスといえる。
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