2022年10月28日15:50
インテリジェント ウェイブ(IWI)と、ジェーシービー(JCB)は、セキュリティーコンソーシアムを立ち上げ、IWI、JCB双方の強みを生かし、業界全体の不正利用対策を推進する仕組みの構築に向けた基本合意書を締結した。
同取組みは、すでにIWIの不正検知システムを導入しているカード会社より順次展開し、2023年度中の実用化を目指す。
一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」(2022年9月)によると、2021年通年のクレジットカード不正利用被害額は、統計を取り始めた1997年以来、過去最悪となる330億円に達しており、不正利用対策は喫緊の課題だ。
経済産業省も「クレジットカードシステムのセキュリティ対策の更なる強化に向けた方向性(クレジット・セキュリティ対策ビジョン2025)」を公表のうえ官民一体となった取組み強化を宣言し、その中で個社の不正検知システムを共同化することが有効であり、ノウハウやデータを共有することで、より高度な不正検知の実現をめざすことが期待されるとしている。
IWIはカード会社に対して不正検知システムおよびFEP(フロントエンドプロセッサ)システムの高い導入シェアがある強み、JCBは国内すべての加盟店との契約を自社で担い、加盟店情報を保有する「シングルアクワイアリング」の強みがあり、両社の提携により、クレジットカード決済の上流から下流までを網羅的にサポートできるため、今回の合意に至った。
同コンソーシアムでは、両社既存のソリューション提供に留まらず、カード会社各社の保有する不正検知ルールを共有する仕組みを提供するなど、業界横断的なノウハウやデータの共有による不正検知の高度化を目指す。
将来的には、同コンソーシアムに参画するカード会社と一緒に、各社の強みを生かした多面的かつ重層的な不正対策を開発、実施することで、カード会員に対し安全、安心な決済環境の提供を目指すという。例えば、各社が蓄積した不正利用事例を一元化して共有し、最新の不正パターンに参加各社が速やかに対応できる仕組みを構築していく。
また、同コンソーシアムはJCBブランドに限定したものではなく、他の国際ブランドへも仕組みを提供していく予定だ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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