2022年12月1日12:00
3年間で2倍、70億円の利益目標を掲げる
レンディング(貸付)とインベストメント(投資)を2本柱に据えて、インド、ベトナム、インドネシアなどの東南アジアを中心に展開しているクレディセゾンのグローバル事業が好調に推移している。2022-24年の同社の中期経営計画に掲げられたグローバル事業の目標は、利益を3年間で倍増させ、70億円まで拡大させるというもの。クレディセゾン グローバル戦略企画部 部長 兼Saison International Pte. Ltd.(セゾンインターナショナル)取締役 管原耕治氏に、事業の現状と今後の見通しについて取材した。
記事のポイント!
①アジア5カ国で事業を展開
②グローバル事業は2本立てで推進
③レンディング事業のターゲットはアンダーサーブド層
④インベストメント事業はGrabへの出資が先行事例に
⑤インドネシアのLummoやulaに投資
⑥インドネシアのJULOに対し8,000万米ドルの投融資
⑦3年間で35億円から70億円へと拡大でも「まだまだ足りない」
⑧真のグローバルカンパニーを目指す
アジア5カ国で事業を展開
アジア以外の新興マーケットへの進出にも意欲
国内ペイメント事業一本では、経営基盤は脆弱になる――。クレディセゾンが国外に目を向けたのは、そんな危機意識からだった。2005年に中国に現地法人を設立して、コンサルティング業務を開始。2014年にはシンガポールにCredit Saison Asia Pacific Pte. Ltd.(クレディセゾンアジアパシフィック)を設立しグローバル事業の本格展開を開始し、現在はSaison International Pte. Ltd.と社名を変えて、アジアパシフィックのみならず全世界の海外事業統括拠点としての役割を担う。現在はインド、ベトナム、インドネシア、タイを合わせ、計5カ国で事業を展開中だ。
国ごとに異なる外資に対する進出規制に対応するため、同社は現地法人、合弁会社、駐在員事務所の設立、現地企業への出資などエントリーのしかたを工夫しながら、手探りで道を切り拓いてきた。「事業の本格展開から10年近くを経て、われわれが推進すべき事業モデルがようやくクリアになってきました」と管原氏。事業モデルを確立し、それをほかの地域にも適用させ、拡大させていく計画。アジアにとどまらず、その他の新興マーケットへの進出も視野に入れている。
レンディングのターゲットはアンダーサーブド層
デジタル化・現地化した金融サービスを提供
クレディセゾンのグローバル事業は、大きくレンディング(貸付)とインベストメント(投資)の2本立てで推進されている。
レンディング事業のターゲットは、銀行などの既存の金融機関から十分なサービスを受けられていないアンダーサーブド層。現地のFintech事業者や金融機関ともパートナーシップを組みつつ、その地域に合った、デジタル化された金融サービスを提供することによって、地域に溶け込んだビジネス展開を行っている。
たとえばベトナムでは、2015年に現地の銀行、HD BankとのジョイントベンチャーとしてHD SAISON Finance Company Ltd.を設立し、割賦ローン、キャッシュローンといったいわゆる消費者金融事業を展開。現在に至るまで、同社グローバル事業の大きな収益の柱となっている。2020年からはクレジットカードの発行も開始した。
インドではKisetsu Saison Finance (India) Pvt. Ltd.を設立し2019年より事業を開始。現地採用によるマネジメント陣のもと、デジタルレンディング事業を推進し、2年で黒字化を達成。業績が急拡大し、現在、貸付残高は日本円に換算して500億~600億円、従業員数は約400人。インド市場の重要性は、来年以降もますます高まっていくと見られている。
シンガポールに投資会社を設立
アーリーステージのスタートアップに積極投資
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